【食養MLでの投稿集(2)】
膝の水は必要だから溜まるのだと思います。あまりお役にも立てないですが、私も解かる範囲で少し書いてみます。水の(正しくは水ではないのですが)溜まる関節の病気でもっとも考えられるのは変形性膝関節症です。年齢が解かりませんが、加齢によって、関節面が磨耗して起こるとされています。そこをクッションの如く保護する為、水が溜まるのだと思われます。しかし大変痛いものです。解かってはいても、我慢も限度があって、病院へいくとその痛みを和らげる為、腫脹した関節の水を抜くわけですが、それによって今度は、直接関節面がふれあい、ギシギシと音がするほど摩擦し新たな痛みが生じる症例もあります。ハムレットの如きジレンマですね。 海軍の衛生兵だった築田多吉という方が、その経験を綴った赤本というのがあります。私はこの本を持っていないのですが。唐胡麻(ヒマの実)を買いに来られるお客様から教わりました。ヒマの実の殻から中の実を取り出し、すり潰しそれに彼岸花の球根を摩り下ろしたものを混ぜ、小麦粉と水で適度の柔らかさに調整します。それを和紙か布切れに延ばし、足裏(湧泉穴あたり)に貼布する方法です。夜間寝ている時でないと出来難いですが、これで不思議と水が取れ痛みも和らぐということです。 どんな薬理学的根拠があるのか私も解かりませんが、色々な治療に手詰まりの時試みる価値はありそうです。第一失敗しても、それ程副作用もなし、唐胡麻も一握り100円くらいで手に入るし、彼岸花の球根は土手に行けばタダで掘り取る事が出来ます。一回に唐胡麻10〜20個 彼岸花の球根は3〜5個を目安とします。知る人ぞ知る。この方法もあまりにポピュラーすぎて、すでに試用済かも? 薬草で人気のあるのが、防已(オオツヅラフジ)、ニワトコ、忍冬藤...これらの薬草の木部の横断面は骨の関節に似ていなくもありません。形象薬理といって分析機器のなかった先人たちは、体の部分に似ているものにその治療効果を見出し臨床で確認したものと思われます。ホメオパシーや日本版ホメオパシーである黒焼きの薬理に通じるものです。現在いくつかは科学的に構造、薬理作用が確認されているのは、言うまでもないことです。 カルシウム補給も大切ですが、カルシウムのロスを招く砂糖、牛乳などは禁物です。砂糖の代わりに蜂蜜。カルシウム源は野菜と海草。意外に誤解があるのは、いりこがカルシウム源とされている事です。これはリンも多く含むためカルシウム補給にはそれほどど寄与しません、栄養分類では蛋白源と考えたほうがいいです。関節が正常化すると水も自然に消退し、痛みもなくなります。 |
私は週一回24時間の澄まし汁断食をやっています。日頃、朝昼大方握り飯1個位、梅干、野菜が副食です。夕食で美味い酒を飲むための準備、と言うのはあんまりですが。月の満ち欠け惑星の運行など考えていたら、混乱してきます。それ程の知識もありません。 しかしいったい我々はどの程度のものを消化管に溜めているのか、ささやかな実験をした事があります。漢方の古典、有持桂里の本「方輿睨」に紫円と言うのがあります。主成分は巴豆、これは劇薬で激しい下痢を催しますが、これを主成分に数種の薬草を配合し米粉で固めます。 これを今まで50例あまり使いました。1食抜いて温湯で服用します。すると30分〜1時間で激しい下痢が始まります。巴豆は温性の下剤なので水で服すると、効きません。ほぼ数時間で固形の便、流動性の便、水様便、さらに水のような便が出尽くすと反応が終わります。温性の下剤ですから、冷水を飲むと反応はピタリと止まります。正に薬物による半日断食です。2〜3割の人は胃に溜まった水を吐くこともあります。 これで64kgあった私の体重は60kgになり、食事をとり61kgになりました。ほぼ3kgの宿便(とりあえずの表現です。)を抱えていたわけです。まず自分で試し知人に試しダイエット願望の若い女性に使ってみたところ、40〜50kgの体重で平均2〜3kgの減量が見られました。最高例は、体重100kgの男性で7kgの減量でした。 薬の材料費は1.25円。これに金箔でも塗せば定価1000円(笑)。クスリ九層倍どころの話ではありませんが、勿論実験ですから無料で服用してもらいました。こちらが治験料を払わねばならないところですが、ダイエット願望の方との利益が一致した結果です。その後噂を聞きつけ、何人かの女性が見えられたけど、なにぶん無許可医薬品ゆえ、お金儲けも出来ず、原料の巴豆も手に入らなくなり今は製造していません。条件が悪ければ二日酔いと食中毒を同時に経験するような苦痛です。 |
デンシー粉などいいと思います。有機農業をやってる知人が近くに居ます。正食協会々員ですが、MLには参加されていません。佐賀の中央を走る六角川に生える葦で堆肥や焼物の釉薬を作ったり多彩な方ですが、この方から葦、熊笹の黒焼粉に、焼いた自然塩を加えて作った歯磨き粉を頂いたことがあります。 一般の歯磨剤はご存知のとうり発泡剤、研磨剤、殺菌剤、保存剤・・・着色料まで配合したものもあります。太陽油脂のぱっくす石けん歯磨きを使っていたのですが、歯茎からにじむ血がなかなか治りません。そこで頂いた黒焼粉を使用すると3日で血がにじまないようになりました。黒い粉で赤い血が確認できなかったからではありません。きちんと水で漱いで後、紙を歯茎に当てて確認したものです。出血は研磨剤のためと思われます。 これをきっかけに歯磨き粉を幾つか試作しました。第一号は蒲の穂を黒焼きにして配合してみました。蒲の穂は漢方で止血剤として使います。黒焼き器があるそうですが、値段が高かったので、焼き締めの壺を空き缶の蓋で密閉し七輪で焼きましたが、まったく大変な臭いで、屋外でないとやれません。そのうち籾殻を焼きつつ、薬草を入れた蓋付空き缶を籾殻の中でゆっくり焼く方法・・・これはなかなか良いです。陶芸に興味のある方はこれで土器も焼けます。炭焼きと似た要領です。 そもそも黒焼きが効くがどうかは不明です。焼いてしまえば主成分は炭素です。葦は水質の浄化作用があるとか、蒲の穂は止血効果があるという思い入れも効果の一因といえなくもありません。塩で磨くと言うのを基本とすれば、黒焼き配合は塩の吸湿性防止効果以上のものがあるのかどうか疑問もあります。何にでも効くと喧伝する竹炭を粉にして使っても変わりないわけです。 も一つ、研磨剤は、歯や歯茎を傷つけます。しかしながら煙草(私は嫌煙派を凌ぐ憎煙派)のヤニや茶渋、歯石等の付着物を除去する手っ取り早い方法でもあります。このため私は少量の牡蛎末で月1回くらい磨きます。牡蛎の殻を焼いて微粉末にしたものです。歯のことで、この本は参考になると思います。。。 歯医者に虫歯は治せるか 志村則夫 創元ライブラリ 1997刊 |
自分が、これが原因では、と思った事はそうである事がしばしばです。自分の体は自分でよくわかると、よく言います。穀菜食のいいところは、歯の形状に例えられるようにヒトの食性を穀物、菜食、肉少々としているとこ、清浄な食材を使うこと、ハレ食を認めていることなどです。 三大栄養素のうち炭水化物の消化に比し蛋白質の消化は2〜3倍のエネルギーを要します。脂肪になるとさらに3〜5倍。と言う事は、穀物食が体の負担も少なく効率良く消化できる訳です。甘いもの、粘膩のもの、油脂の多い食品は、胃にもたれ胃熱となりその熱が舌や口腔の粘膜を犯すことになります。口内炎の発生の原因の一つです。また、焼いた食品など陽性が強ければ、口内炎を引き起こします。例えば、鉄板で焼いた肉より直火で焼いた肉が口内炎の発生は顕著です。それを甘ったるい飲み物とともに食べたりするとひどいもので、これが一般的口内炎に見られるものです。舌診すると舌尖が赤みを帯びときに舌苔が白く厚く、黄っぽく変色している事もあります。 お尋ねの口内炎は先の方が割れてるわけですから、どうやら陰虚の口内炎のような気がします。これは今まで書いたのと逆の現象で、甘味、粘膩の食材、油脂の不足とも考えられます。おもい当たることはありませんか?、、かといって、甘味、粘膩、油脂の食材をあわてて摂取することも注意を要します。たちまち陰陽、臓腑間のバランスを崩してしまいます。甘味、粘膩、油脂などは穀物と異なり、陰陽の許容の幅が少なく元々少量で間に合うものだからです。 女性の相談は便秘とダイエットが多くを占めます。便秘はありませんか?便秘があれば食べた食物をお腹で溜める為の、生理的メカニズムで熱が発生します。それが舌や口腔を犯す事にもなります。さらに熱が上昇すると、のぼせ、抜け毛が生じます。 苦味の食材、酸味の食材で熱を冷まします。陰虚ならば、甘味でやや寒性を持った食材を使います。少し挙げて見ます。豚肉、春菊、鳩麦、緑豆、冬瓜、胡麻、梨、豆乳、砂糖。。。苦味の食材は少ないので、薬草で黄柏(キハダ)と言うのを使います。この粉を患部に塗布すると、糊状になり傷口をふさいでくれます。飲み込んでも胃薬として、胃熱を冷ましてくれるので便利です。これで治癒までの期間がいくらか短縮されると思います。ビタミン剤は、口内炎=ビタミン欠乏であれば、有効でしょう。しかし体調不良には飲むことより、飲まぬことも有効である事がしばしば、口内炎の場合特にこの事が当てはまると思います。 口内炎は数多くの経験があります。急性の場合。。。薬を投与して治る期間と、何もしないで治る期間は変わらないような気がします。過食を慎み、治るまで待つのが一番の近道かもしれません。 |
牛乳に関しては、問題の多いところですが、食材として絶対禁とするのも治療家の思惑がある訳で。禁欲的な養生あるいは妥協的な養生何れも治療家の人格が顕現します。私もお金は好きです。人格にそのことが影響してないと言い切る自信はありません。 かつて幾多の社会問題を引き起こした霊感商法などアンケート調査はじめ予診、下調べを別の人物が行い、教祖に伝えておくという手法をとっています。高校生物の知識があれば脂肪はどう吸収され代謝されるかの科学的判断は出来るわけで、どんな形でどのようなメカニズムで脂肪がたまるのか詳しく説明を求めたならば、その治療家の資質は自ずと確認できるはずです。 私も牛乳及び乳製品は摂らないし、摂らないほうが体の為、と思いますが絶対ダメといえる根拠は持っていません。たまにヨーグルトをのもうとチーズを食べようと、それだけ食べるわけでもなし、またそれくらいで体が壊れる事もありません。アレルギーの場合は別ですが、、、 医療機関で通常使われる検査種目は数値や画像として再現性のあるものを取り入れているのですが、代替医療では、数値として検査するものはあまりありません。波動値や皮膚伝導度など、アテにならぬものばかり、さらにOリングや望診、触診、脉診、腹診、、など、セラピストの感覚でどうにでもなる診察の儀式なのです。そこに自然治癒力を引き出すという、プラシーボの有効性は認めるものの、邪悪なセラピストの利益の温床となる危惧もあります。このことと、有効な治療の機会を失う事を最も恐れます。 玄米の食養はそんなものに利用されやすい危険があります。感覚に頼る望診、触診、、など否定するものではありません。熟練したセラピストであれば、理屈ぬきの、勘と経験で一定の診断は出来るものです。このことは大事な事です。例えば初めて脉診の本を読んで本のとうりにやっても殆ど解からないし役にもたちません。症例をこなし、体全体の情報、問診、さらに薬であれば投与し薬効を確認し修正し、、、こんな作業を繰り返し蓄積し、診察のパターンが出来上がってくるわけで、本や師に学ぶことは、トレーニングの一つでしかありません。 さらに、25万の浄水器を勧められたと言う事ですが、、、私はこの時点で浄水器は勿論この先生も完全アウトにします。偉いとか、著作がある等、関係ありません。 |
テレビ、雑誌等では有効な食品があると宣伝が為され、ネット上でもその類のサイトは数多く存在します。それだけに決定打のない状況が読み取れます。私は食養と漢方をやっていますが、食養では未だ有効例を経験していません。 ただ、ダメなものがあります。ご存知ヨーグルト、チーズなど乳糖が分解された食品です乳糖が分解されるとグルコースとガラクトースに分かれます。若年性白内障の多くはガラクトキナーゼ活性が低く、ガラクトースを消化できない為ガラクトースが水晶体にあつまり白内障を引き起こす。と言うことです。これは70年代サイエンス誌で発表された確かなものです。これを解っていながら、牛乳で下痢する人はヨーグルト、などとうそぶく乳業会社に騙されてはいけません。 既に故人ですが、眼科出身の漢方の大家、藤平 健先生の書物によれば、表面から濁ってくるものは漢方で治療可能だが中心から濁ってくるものは難しい、これは手術の適応だ。と書かれています。現在の中医学的見方はもっと複雑ですが、藤平先生の症例によれば、6割が治癒可能、2割が進行を食い止める、2割がダメ。とのことです。かって講演会で直接聞きました。医者の参加が多かったので、問屋の話によれば翌日から、八味丸、六味丸が急に売れ始めたとのこと。 |
20年ほどまえ東京で遊学中、この錠剤は脱脂骨粉末と表示してあるが、実は牛骨粉だとか、、またお花茶屋の火葬場の残った人骨末を使ってあるとか、、人骨の話は都市伝説の類だろうと思いますが、人骨だからよく効くのだ、と言うまことしやかな学説も... 劇的に効くとはいえどれだけの人に劇的に効くかの確率が問題です。しかし老齢で骨の磨耗した人にはカルシウム補給はある程度有効かとおもいます。私は高価なものはお勧めしません。費用対効果を考えると、牡蛎末などいいと思います。CACO3(炭酸カルシウム)が80〜95%含有され分子量100で1g中のCa含有量は80%とすると320mg。1日の成人のCa摂取量は450〜500mgとして、海草、野菜からの分も考慮すると1日1回1g服用すれば充分です。私の経験した症例では3週間から1ヶ月の服用で関節痛がとれました。もちろん無効例も沢山あります。 牡蛎は3年天日に晒し、それを焼いて使うのが効果的だといわれています。吉益牡蛎とも言います。漢方関係者の間では有名です。この牡蛎末は大変安価で100g 200円〜300円。1日3円のカルシウム健康法です。これを加工し錠剤やら液体、そして金ラベルを貼ったり、桐箱に入れたりして付加価値を増すのが、健康産業のお仕事なわけです。添加物も沢山、この手のカテゴリーの物は食生活さえきちんとやっておれば本来必要ないものです。 牡蛎末といって食添指定の物を選ぶとやや安価ですが、牡蛎とは名ばかりハマグリやらアサリやら訳のわからぬ貝の粉末だったりします。日本薬局方牡蛎末と指定した方が安心です。健康食品業界はどうやら食品添加物の牡蛎を使ってるようです。それがダメだとはあえて申しませんが。 |
食事では とうてい取りきれない栄養素。と、言う質問ですが具体的に何なのでしょう?まぁ、それは良いとして、サプリメントの幾つかは本来備わっている栄養成分を削り落とし濃縮し、錠剤等の剤形に加工が施されています。それが自然な形の栄養の摂取とは考えられません。噛む事も含め食餌行為を考えるなら、不必要と考えます。栄養学が謳う栄養素を必ず摂取しなければ生きてゆけないという確かな証拠もなく、栄養学と無縁に生きている人も多数存在するわけです。 しかし全否定はしません、噛む行為が出来ない、長期間に渡って、必要な食材が入手できない(例えば船乗りの壊血病→VitC)、信仰、信念によって行う食行為で不足する栄養素の補充、、例えばマクロビオティックの7号食などを厳密に実行するならば、サプリメントの役割は必須です。サプリメントやハレ食の容認ナシでは危険な食養です。 もひとつの問題はサプリメントの業界のことです。このMLでも個メールでサプリメント紹介の呼びかけがしばしば見受けられます。これを私は大変心配しています。親類、知人友人、根こそぎ絡め取るマルチビジネスや一発屋の巣窟だからです。よく名前が出てくる○○○、この店に行くと久司先生の本があり、波動計という得体の知れないオモチャが置かれています。この数字を根拠に、正しい商行為が出来る訳がありません。そして○○○○、この会社と母体を共有しマルチビジネスを展開しています。こんな会社など信じるに値しません。 ○○○○、ここに限らず。サプリメントを始めとする、豊富な生活アイテムを揃え面白い事に販売レベルの段階ごとに利益率の表も用意されています。代理店に昇格したと言って喜ぶ知人が居ますが、どれほど人を騙したかの勲章みたいな物で自慢にはなりません。10年前出版された食と栄養の文化人類学という本、225Pに民間食法を見破る16の方法、と言うのが提言されています。抜粋します。
|
マクロビオティックは思想が先にあって、それに整合性を持たせるための無理な食の解釈があるような気がしています。古い本を参考にしてるので現在はどうか詳しく解りませんが、食や食摂取に関しての実験的な検討は不十分だと思っています。水及び食物そして薬も、あらゆる胃に入れるものは、その生理的メカニズムがあり、そのひとつにgastric
emptying time(胃内容排出時間)の問題があります。食物の種類や食物の温度によって時間に差異が生じます。古い教科書のデータですが、温度37℃の流動食で排出半減期7分、室温で22分とありますが温度が低下するにつれ排出半減期は延長されます。食物が油脂や蛋白を含んだり糖分を含んでいると、さらに時間は延長されます。 私の経験ですが、ある夏の農作業で激しく発汗し喉も渇いたので、冷蔵庫に走り寄って 何を意味するか、お解かりだと思います。冷水で胃を冷やし、胃の動きを止めてしまったわけです。これからは推測の域を出ませんが、おそらく消化液や胃酸が回復するまで、36.5℃の体温で、冷水5℃〜10℃の水を温め続けたものと思われます。胃液・消化酵素は体温値で最も活性化するわけで、それまで数時間あるいは朝まで水が胃にとどまることも充分考えれれます。その間食物を食べても十分な胃液・消化酵素の活性は得られないことが想像できます。 食物を摂取すると胃の幽門が閉じ、蠕動運動が始まり食物の消化が行われます。多量低温の水分があれば消化効率は落ちます。水分の補給は大切なことですが、一定の配慮は必要です。著しく水分を失った時は出来るだけ体温に近い水分(甘味があると吸収は遅れます。)を少しずつ流し込むのがいいと思います。空腹時ならば数分で渇きは止まります。この理屈からすると、食事中の水分の摂取は出来るなら、最小限に留めるほうが好ましいといえます。ヒト以外の動物の食や水分の摂取形態など参考になると思います。 食は楽しみでもあります。私も飲酒しながらの食事で、ダメだと解っていながら実行出来ません。せめて水分摂取の多くなるビールなど避け、人肌ほどの酒を少しずつ噛みしめながら味わうようにしています。炎天下の水分補給、、冷水は幾らか体温を下げてくれるし、これほど美味いものはありませんが、そこそこ飲んであとは、熱いお湯で水分補給を心がけたら良いかと思います。 食養家が水分の摂取はじめ禁欲的決まりを実践させるのは、一つに治癒力を生かす儀式(言葉が悪いかも、、)であろうと思います。病気に対する前向きな取り組みは自然治癒力を生かします。しかし少数ではありますが、諦めた処から治癒に向かった例、又セラピストとの関係が良好であることは一つの大きな要素ですが、セラピストに対する怒りで治癒に向かった例も見聞します。禁欲的食養や、あるいは噛む事も治癒力を高めることに異論はありませんが、享楽的食養や噛まずに飲み込むことでもまた、治癒力を生むことがあるかも知れません。まさにヒーリングを職に得たものとしてプラシーボ、ノンシーボ、バイアスなどの問題は複雑多岐で生涯賭けて取り組むのに不足のないテーマです。 |
生姜湯で風邪や冷えの予防や治療をする事は、既知のことです。私は、生姜湯とは別に金銀花をお勧めします。新緑が濃緑に変わり始める5月、山を散策すると道端に白と黄色のジャスミンのような、そして香りもそれに似て芳香を放つ花がみられます。白い花が咲き1〜2日すると黄色く変色し、それが混在した様は金と銀を散りばめたように見える事から名付けられています。別名スイカズラ(忍冬)ともいいます。私はこれを畑に1本植え約1ヶ月間に渡って咲き続ける花弁を採集し、来る冬に備えます。集めるのは根気の要る作業ですが、花の香りにうずまって採集するその作業自体が快感でもあります。 風邪は風熱と風寒に大分類できます。風寒とは皮膚か寒を受け寒気や悪寒鼻水で始まります。これを予防する為には、保温が大切です。寒い時、風呂上りなど、、特に首の後辺りはタオルなど巻いて保温をしておくのが宜しいとおもいます。残念ながら罹患した時は、ご存知生姜湯で温め発汗し、治すわけです。体表に病毒があるものは風邪、皮膚病筋肉痛など、発汗によって一定の治癒が得られます。 さて風熱です。暖房の効いた部屋で湿度も低下すると、熱邪を感受するわけで鼻の奥の粘膜が乾燥したり、咽喉が発赤したりして、寒気は少なく熱が多い風邪をひくことになります。これに効く適当なものが台所には見当たりません。こんな時は、必要最小限の薬草を使う事も選択しなくてはなりません。その代表で、便利で、安価で、恰好の薬草が金銀花です。 気味は甘・微寒、帰経は肺・胃・心・脾、清熱解毒、薬草の抗生物質と形容される事もあります。これを常備しておくと、甘寒で寒熱比-0.5。風寒の際は熱くして服む事で+1位の温性が得られ風寒に使えます。そして風熱の風邪、このときは薬液を体温より少し冷まし服む事で寒熱比−0.5となります。少しずつ口に含みうがい(含漱)しながら飲み込みます。1日量は8〜10g、煎じる時間は約5分。私は20g〜30gくらい使います。 熱くして服むとその軽い発汗作用で、皮膚病や、筋肉痛にも対処できます。薬草の中では最も応用範囲の広いものといえます。ひとつ選ぶなら私はこの薬草を選びます。花弁ですからハーブティーと同様副作用など軽微です。緑茶、烏龍茶などの方がよほど害があるでしょう。薬価基準3.98/gですから100gあたり小売で500円程度が常識的価格。風寒の予防は夏から始まります。冷飲や冷房が過ぎると伏陰となって寒くなり始める秋ごろから、寒邪に感受し発病します。寒熱錯雑という病証がある事も付記しておきます。 |
連日、ハレ食が続く飽食日本では。。一般には、殆どハレ、ケの食概念はない状態だと思います。樋口清之先生の「食物と日本人」と言う本の冒頭に、中国は空を飛ぶものは飛行機以外、海のものは船以外、陸のものは機関車以外、何でも食べるというが、その中国広東料理の食材が800種。ところが日本の食材は海の底に生息する下等動物に至るまで1500種の食材を食べてきた。。このような内容の事が書かれています。 資源の少ないわが国は・・などと良く言われますが、こと食材においては世界に誇る豊かな国だと言う事ができるかと思います。樋口先生は国粋主義的な著作がおおく、日本の事となると、中国人以上に大袈裟なのかも知れませんが?巻末の資料を見ると、なるほど納得できる食材ばかり。 完全穀菜食でよく言われるのが、VitB12(cyanocobalamine)の問題です。これが欠乏すると重篤な貧血が起こります。学生の頃の衛生化学の教科書を開くと、モデル動物を植物蛋白のみで飼育すると成長が遅く子孫の死亡率が高いと記されています。その大きな原因が植物蛋白に含まれていない、動物蛋白因子(animal protein factor)が動物蛋白に存在してるためで、この因子の一つがVitB12と同一物質であるとされています。 過去幾多の栄養障害の問題が穀菜食の熱心な信仰によって生じています。腸内細菌によってVitB12は産生されるのだという説を読んだ事もあります。また植物界に唯一VitB12様物質を生薬の当帰に確認されたという報告もありますが、まだ一般的常識ではありません。千島学説は腸で血を造るという説ですが血は、骨髄で出来るというのが医学常識です。千島学説でweb検索してヒットするのは波動など仮説ばかり。腸を健全に保つ事に異論はないけど、仮説を実践し過度の治療効果を期待することには問題もあります。 既述したように、動物でしか得られないものがある以上、それを容認する事も信仰といわれないための証としなければならないと思います。私は動物とは動くもの及びその分泌物たる牛乳や卵など総称して考えています。植物も動くと言われれば、まぁ、そうかな?と言うしかありませんが。 栄養学では成長期の子供にとって、体の構成成分たる蛋白質の必要量は成人の2〜3倍と言われています。成長期の粗食は生涯の健康を保つ上での大切な要件でもありますが、良質の蛋白を取る事も同じく大切な要件です。 漢方では動物薬を使用します。私が使っているのがミミズ、マムシ、ヤモリ、ヒトの胎盤、カマキリの卵、ヒル、サツマゴキブリ、カイコ、タツノオトシゴ、、、まだまだあります。これらのものには植物で得られない薬効の速さと力があると言われています。食物でも同じことです。食品成分表を見るとそこに記されている成分は17種程度、あとの付録の参考食材をいれてもせいぜい20〜25程度、これに天然成分として確認されているものが食材毎にありますが、成分の全てが網羅されてるわけではありません。この少ない成分では語れないものの、語らなければ、奇想天外な栄養学になってしまいます。 未知の多くの成分が本当は、大変重要なのかも知れないというのは仮説ですが、植物にないものが動物にある、、その成分を仮に「気」というものに例えるなら植物で得られないVitB12をも含む動物の「気」をいただく事がハレ食ではないかと思っています。 さてそれならハレ食をどの程度容認するかという問題です。いまや豊富な食材が手にいるのに飢えを求める必要があるのか?しかし飢えは食物摂取と吸収の重要なファクターです。私は、朝、昼、飢え。夕食、ゆっくり満腹という食事パターンです。動物食をハレ食と認定するなら1日1回はハレ食なわけです。朝は雑穀1膳と漬物、梅干、味噌汁。昼は雑穀おにぎり1.5ケと漬物、梅干。夕食は例えば昨夜・・・秋刀魚塩焼き、大根おろし、レモン、シシトウの塩焼き、鳥軟骨のから揚げ、キャベツ、ポテトコロッケ雑穀、漬物そしてこれに225mlの酒がつく訳です。【注】日本酒225ml...1800÷8=225 栄養士は朝充分な栄養を取り、夕食は軽くと言います。確かに夕食が重いと残余のカロリーは脂肪となって貯蔵され、それは成人病の原因の一つとされています。しかしタダでさえ忙しい朝、多くの料理を準備するためには、未明から起きて準備が要ります。口で言うのは簡単だけど、実行するのは大変。とても現実的ではありません。昼だって同じようなもの、外での食事の時は、理想どうりにはゆきません。自分でもできない事を指導するわけですから。おかしな栄養士です。夕食こそゆっくり、皆そろって食べられるハレの時間でもあります。多少のリスクがあるにしても、このときを除いてハレ食は考えられません。と、私は思います。 ハレ食は蛋白・脂肪食でもあります。冒頭で書いた日本人の豊富な食材の話。肉、魚、牛乳、卵、などアレルギーや環境汚染など問題があるにしても、例えば急迫の貧血を救うため、汚染の臓器たる動物肝の摂取も短期に必要かと思っています。リスク&べネフィットの考え方です。このあたりの見解はマクロビオティックの考えかたとは異にするかと思いますが、譲れないポイントでもあります。 動くもの、も少し範囲を広げてみると、まだまだあります。これからの食を考えると昆虫食や両生類、爬虫類食も視野に入れておくべきかと思っています。私の子供の頃、母の実家、山奥でしたが遊びに行くと、クサギという木部に生息する虫をご馳走だとして、焼いて食べさせられたことがあります。疳を治す虫だとされる孫太郎虫など、蛋白不足を補う先人の智慧だったのかも知れません。ご存知のかたは各地の昆虫食の話など教えて頂けたら嬉しいです。 何でも食べてきた先人の智慧、これこそ伝統食という思いを強くします。食の話をすると「それじゃ、食べるものがなくなる、、、」とよく言われますが、動物食も適宜取り入れた雑穀を中心に据えた伝統食...と、説明すると、幾らかお解かり頂けるかも知れません。そしてそれが一定の栄養学的証拠に根ざしておかなくてはならないと思っています。食に対する禁欲や罪悪感は捨てるべきです。ハレ食をどの程度の頻度で容認するかは、栄養学で確立された知識と、自らの経験で、判断がつくはずです。ご飯も食べずひたすら、刺身や肉を食べる日もまた大切な事です。 |
MLの皆さん、こんにちは、この投稿は既に投稿されたもののフォローではなく私見です思想、信条、信仰に対するフォローは嵐を呼ぶ恐れのためしないことに決めています。このMLで自分が延命するためのささやかな思いから、、多くは書きません。 このMLにはむしろ国内より海外に多くのメンバーがいらっしゃるのではないかと思っています。思想はその思索傾向から二つに大分類できるわけです。東洋と西洋これをテーゼ、アンチテーゼとするなら納得できるものの、一つ東洋に優位性があるという議論には疑問を呈したい。ドイツ観念論、実存主義、構造主義....私はこれ以降、頭がついて行かず空白状態です。これらの学習もされ知識があって東洋の優位性を主張されるのでしょうか?知のない知識、知識のない知は文章を読めばわかります。 桜沢如一(さくらざわゆきかず)この方はフランスでマクロ思想を展開し西洋に受け入れられ、名前もジョジーとかジョルジュと西洋然としたものを使ってた訳です。その陰陽論は中国思想の易経から来た無双原理といわれてることは周知の事、しかしこの独創的思想は独断的思想とも言われています。八綱の概念すらない陰陽論は陰陽論として認められないものです。単に原始二元論どまりです。しかも治療に応用するとなると五臓六腑との関連も大切な概念となります。この五行説がなく、とても東洋哲学などどいえる代物ではありません。 本草綱目を薬物や食物の基本的性質の拠所としますが、この原典と言えるべきものを無視した食の陰陽概念、これも独創と言うべきか独断と言うべきか...解りやすい陰陽の概念で、やっていく事に異論はありません。ただそれで不明な事、不可能なことまで、東洋の原理とか宇宙の原理というお題目で解釈する。そして一定のエビデンスを要する、体や栄養のことを論じてよいのか?と思うところです。科学でわからない事は多すぎます。しかしそれだからといって東洋思想の優位性に繋げる議論は、乱暴すぎます。科学は、科学で解明できない事を、はっきり認識します。しかしさらに解明の取り組みを継続してゆきます。 少なくとも私は、解らないものを観念や直感などと言わず。解りません。知りません。と、はっきり言いたい。 |
師走も後半、寒くなりました。佐賀でもつい先日初霜を迎え、畑の柑橘類は色付き、透徹した冬空に凛とした彩りを添えています。厳しい寒さも、好天に恵まれた日は、長い陽差しが部屋の奥まで延び案外穏やかで、縁側で本など読んでいると心地よく、隠居した散閑人の気分です。 halcyon days...直訳でカワセミの日々、辞書によると、穏やかな日々。これは翡翠(カワセミ)が冬至頃の穏やかな日々、巣籠をすることからくる意。又冬至前後の穏やかな2週間という意味もあり、ちょうど今の時期。 halcion...これは昏睡強盗ですっかり有名になった、新薬の睡眠導入剤。おそらく語源はhalcyon daysから来るものと思い、直接製薬会社に尋ねてみると、「そうです。」との事。穏やかな日々と、こころの穏やかさを兼ねた語源になる訳です。きょうは、こころの不安に生姜湯を応用するという、お客さんの話。このお客さん60代の女性、夏でも夜露を浴びただけで風邪をひくし食品売り場の冷蔵庫の前を通っただけでも悪寒を覚えるとの事。夏の木陰の下を歩いてもその涼風が不快といわれると、理解困難な思いに駆られました。「気のせいだと言われるけど、私みたいな体質の人、見えられますか?」と訴えられ、、、さらに冷気や水蒸気のみならず、温熱も感受するらしく、広い部屋であっても風邪などで熱のある人が居ると誰だか、当てる事ができると、いうことでした。 表虚に使う薬草などとともに、体を温めるため生姜湯を勧めました。親指大の生姜を茶漉しにすりおろし、熱湯を注ぐ、辛温の相克たる肝酸を救うためレモン汁少々、さらに脾甘を補うため蜂蜜適量を加え飲用。好みで熱のもちを良くするため葛粉で稠度を保つのも可。このときは少し加熱の必要があります。するとなかなか調子がよろしく、大変感謝された訳ですが積年の体質が容易に変わる筈もなく、自分の体とのお付き合いと思い直し現在も続けられています。いい方法だからと、このお客さまが、多くの知人に生姜湯を紹介されたところ。。。不安やいらいらの改善例が見られました。「これは鬱病にもききますネ。」などと喜ばれた次第です。まあ鬱病などというものが生姜で治るわけはないのですが、素人ゆえ精神病も神経症も軽い不安感も混同して考えられたのでしょう。しかし本人にとっては不安に軽度も重度もなく生姜が助けになった事は注目すべき点であろうと思います。 辛温剤、解りやすく言えばスパイス類、これはその精油成分の発散性をもって気剤とします。生姜であれば1〜3%のzingiberolを含有します。辛味成分はzingerone/ shogaol/gingerone/生姜はじめ多くのスパイス類にはその精油成分で鬱屈した気を発散させてくれます。さらに辛味成分が体を温めます。酒も辛温気剤のひとつです。酒は浮世の憂さ晴らしと申しますが、辛温たる酒をはじめスパイス類は似たような働きを有します。アロマテラピーはその精油成分で力を発揮します。 いいからといって辛温の気剤を多用するのは注意が要ります。のぼせたり陰を損耗する恐れがあるからです。体液(津液)や血液成分は気剤なしに動く事は出来ません。そして気は陰の成分によって涵養されています。不即不離の関係です。辛温剤はその発散性を活かすため長く強く煎じたり加熱したりしてはいけません。軽からざれば揚がらず。精油で軽く発散させる事がコツです。 余談ですが、、葉部を使う薬草も同じく軽く煎じます。ドクダミを30分も1時間も煎じるとタンニンなどのヒトに好ましくない成分が浸出してきます。ゲンノショウコや柿の葉、センナ、、など葉部を使う薬草はいろいろありますが、これらは5分程度軽く煎じます。逆に木根や実は30分〜1時間、鉱物はさらに長時間煎じます。 少しだけ落ちこんだとき、些細な一言で傷ついたとき、やがて時が癒してくれるかも知れませんが生姜で、もう少し早く癒されるかも知れません。halcyon daysにふと老々たる隠居の風情で一筆書いてみました。改めて老いとは誰しも訪れるもの、完璧な養生を実践し200年も生き続けるわけでもなし、、と。 |
インフルエンザや風邪は、その後処理やこじれた時の処理が面倒です。うまくいかないと年中風邪気味という状態になることもあります。発熱時などの最盛期には病毒は体表近くにあるのですが、時間の経過とともに病毒は体の奥に入ってゆきます。このことは傷寒論という書物に詳しくその病理と対策がかかれてあります。 風邪をこじらせると病毒が、少し奥深く胸膈の部分に侵攻します。熱などの病毒が入りこむと胸膈にある肝(肝臓より広い概念)がオーバーヒート状態になります。体力が回復した朝にはこの熱(体温計にわずかに出るかでないかくらいの熱であることが多い)を制御することが出来ますが、午後になると力が落ち熱の勢いが盛んになります。軽い微熱がでて、少しだるくなります。この熱が、肺を犯し咳になったり、又粘膜の津液を乾かし、粘っこい痰を発生させます。また熱が心を犯すと、不眠といったことも起りうる訳です。そして軽快、悪化を1日単位で繰り返すことになります。 残念ながら、この病態の時、西洋医学では打つ手がありません。漫然と抗生物質や鎮咳剤、解熱剤を投与し気休めの点滴を施すのみで、それが反って治癒を長引かせる要因ともなります。漢方医学では、容易に対処が可能です。治癒は自己治癒力によりますが、漢方薬の服用で治癒の期間は短縮されると思います。 これからは、余談になりますが、今の時期、庭先で金柑を目撃します。それと南天。これは民間療法で咳の薬として古くから親しまれ有名です。金柑10〜15個、南天10〜15gこれに黒砂糖適量を加え30分ほど弱火で煎じその汁を温かいうちに服用します。近年、金柑など食べる人も少なくなって、鈴なりのまま落ちて腐らせる人が殆どです。少なくとも私の近所では、この資源を無駄にしている状況です。この時期、これを頂戴して甘露煮にして保存します。金柑の重量の5〜6割程度の砂糖で煮込みます。まず金柑5〜6箇所くらいに傷をつけ種を抜き取ります。それを軽く煮てゆで汁を捨ていよいよ本番、甘露煮として仕上げます。保存が利きますので、咳止めにそのまま煎じたりあるいは熱湯を加えただけで服用出来ます。また焼酎など飲むとき湯割りにこれを入れて飲むと、意外な味が楽しめます。もちろん料理の添え物として応用も可能。砂糖が多いので大量の摂取は注意の要るところ。 南天も良く見かけます。これも鎮咳作用があってその成分ドメスチンの塩酸塩はブドウ球菌の発育阻止作用が報告されています。白南天を使います。これは五行の白は肺大腸への帰経から来るものと思われます。赤南天は心経となる訳ですが、白・赤いずれの南天でもいいと思います。これは天日で乾燥させておくと保存が利きます。メジロやウグイスを飼ってる人が、たまに南天の実を買いに見えられます。これをすり潰し餌に練って食べさせれば鳴き声の質が良くなる、ということですが?カラオケが趣味のかたや声を使うお仕事のかたは試みる価値があるかも知れません。 地方によっては、これに干し柿を加えることもあります。甘味をつける為でもありますが柿の蔕にはシャックリを止める作用があり、これが咳止めに応用できます。病院に勤務していた頃、シャックリがどうしても止まらぬ患者さんがいて、医師から何かいい方法がないだろうか?と相談を受け、これを使ったことがあります。10分毎に出ていたシャックリが30分、1時間、2時間、6時間と延長され、ついに一週間で止まり大変感謝されました。 |
先日からクリスマス(キリスト教)で華やぎ、今日は大晦日(仏教)、そして明日は初詣(神道)、、と、この一週間不統一な宗教行事を慣例として不思議がることもなく営んでいる訳ですが... さて京都・八坂神社では大晦日から元旦に朮(おけら)祭りという神事が行われるそうです。厄除けに朮が焚かれ、この火でお雑煮を調理して食べると無病息災が叶うという言い伝え。このおけらは生薬で白朮・蒼朮などといい、水や、湿気をさばくものでそれを焚く神事が水と火の信仰として伝えられたものと、書物に記されています。 朮・・・薬性は苦・甘・温、補気健脾、燥湿利水、固表止汗、去風湿、安胎。水毒の溜まりやすい日本の風土に最適の薬草の一つでもあり、特に胃などに過剰に生じた水毒で、低下した消化能力を助ける働きがあり、茯苓などの利水薬と一緒に処方されます。これが、正月にのむ屠蘇に配合されています。屠蘇は中国から伝わった風習で日本では平安時代(9世紀前半)に宮中の正月行事としたものが起源のようです。10種くらいの生薬を配合し薬研ですり潰し作りますが、基本処方は、、、朮、山椒、桔梗、防風、桂皮、陳皮、、これに幾らか芳香性の健胃薬を配合します。年末年始、あまり動かず、ご馳走をいただいて生じた食滞を除く働きがあり、さらに消化管や体表を温め風湿寒を去る働きもあります。正月だけではなく常用しても役立ちます。酒がダメなかたは、これに湯を注いで服用しても可。 きょうは大晦日、この時期になると、人生、扉の隙間を駿馬が走り抜けるが如しという中国の古典が浮かんできます。
|
【注】上記投稿後、ML配信解除(退会) |