スグル: | うおっす、今回はこのハガキからだ。
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ミート: | 「魔方陣リング装着デスマッチで、コントローラーにアシュラマンの冠がピッタリ入るのはどうして?」
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スグル: | この質問は随分ときたのう。そこで今回は、スペシャルゲストとしてこの二人を呼んでおる。
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アシュラマン: | カーッカッカッカッカ…と今では笑わなくなったアシュラマンだ。
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サムソン: | 何でわたしまでこんな所に…
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アシュラマン: | あ、そうそう。これは親父からだ。魔界名物「血の池ゼリー」と「地獄鳥饅頭」だ。
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スグル: | おお、わざわざすまんのう…って、ゲーッ!! 何て物を持って来るんじゃ!
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アシュラマン: | そ、そんなにイヤがらなくても… 美味いんだぞ。せっかく今日のために魔界一の老舗・鶴屋千年堂まで行って並んだのに…
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スグル・ミート: | (お前が買いに行ったんかーい!)
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サムソン: | (ぼ、ぼっちゃま…政務を放っぽり出してこんなことを…)
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アシュラマン: | 仕方ない…受け取ってもらったことにして、わたしが食べるか…
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ミート: | と…ところで、この質問ですが真相を聞きたいんですけど。
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スグル: | ちょっと待ってくれい、ミート。アシュラマンにはこっちの質問が先じゃ。
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アシュラマン: | 何だ、キン肉マン? ハグハグ…ジュルリ…
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サムソン: | ぼ、ぼっちゃま。怒り面と冷血面で饅頭とゼリーを食べながら話すのはおやめ下さい…
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スグル: | 「アシュラマン冠を外した時には全部パンチパーマだったのに、怒り面だけは何で髪の毛が逆立ってるの?」というハガキがきとるんだが…
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アシュラマン: | わたしの髪は怒り面だけ剛毛でな。パーマをかけたそばからすぐに戻ってしまうんだ。それを抑えるためにいつも冠をつけていたんだが、結局剛毛は直らないようだな。
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スグル: | なるほどのう(恐る恐る饅頭をパクつくスグル)。
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ミート: | 王子、もういいですか。
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スグル: | お、おう。ところでアシュラマンよ。この饅頭、意外といけるのう。
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アシュラマン: | だろう。サムソンとのスパーの後に食べるとこれがまた美味いんだ。
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ミート: | もう、二人とも。食べてていいですから、余計な話をしないで下さい!
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スグル・アシュラ: | へーい。
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ミート: | たく…このバカ王子たちは… サムソンさん、この質問の真相をお願いします。
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サムソン: | これ…か。実はキン肉マンと戦った時の魔方陣デスマッチの装置を作ったのは他ならぬわたしなんだ。
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アシュラマン: | やっぱりそうか。
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スグル: | やっぱり…とはどういうことだ。
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アシュラマン: | サムソン…これはあの時のコントローラーを使ったのだろう。
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サムソン: | すみません、ぼっちゃま。
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スグル: | な…何を言っておるのだ、二人とも。
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ミート: | 王子の言う通りですよ。ボクたちにも分かるように説明して下さいよ。
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アシュラマン: | おお、すまんすまん。
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サムソン: | これはわたしがぼっちゃまの家庭教師をしていた頃の話まで遡るんだが…
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スグル: | 確かお前の親父さんはお前の不良ぶりに手を焼いてお前をサムソンに押しつけたんだよな。
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ミート: | お、王子…そんな本当のことを…じゃなかった、失礼なことを…
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アシュラマン: | な…何とでも言え! お前も人の事は言えんくせに。
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ミート: | まったくですよ。
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スグル: | チェ…またわたしだけ悪者扱いか…(小さくなるスグル)
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サムソン: | あのー、話を続けてもいいか…?
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ミート: | あ、どうぞ。
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サムソン: | ぼっちゃまの家庭教師のついでに遊び相手まで任されていたわたしは、ぼっちゃまのわがままに付き合わされて…
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アシュラマン: | 当時、わたしはTVゲームに夢中でサムソンに巨大コントローラーを作らせたんだ。サムソンの一族は元々、王室御用達の電気機器メーカーを経営していたんでな。
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サムスン: | あの時は1週間完徹させられて…今思い出すだけでも…
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スグル: | な…涙……
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ミート: | ワガママぶりはうちの王子といい勝負ですね。
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サムソン: | そう、「マ○オブラザーズ」や「アイスク○イマー」でもいつも下から突き上げられてやられてしまうんだ… ご自分では「ボクをサポートしろ」って言っときながら。おかげでゲームの腕はめきめき上達していったんだが…
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スグル: | サムソン、お前いいやつだのう。
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ミート: | いくら王子でもそこまでひどくはないですからね。
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アシュラマン: | わたしには何も聞こえない…
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サムソン: | それだけでは飽き足らず、ぼっちゃまは「反応速度を速めろ!」とか言って… そこでわたしはぼっちゃまの冠を介して頭で思った通りの操作ができるようにコントローラーを改造し、ついでに魔界特許までとってしまったんだ。
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ミート: | そうか、そのコントローラーを魔方陣デスマッチの装置に流用したわけですね。
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サムソン: | 王位争奪サバイバルマッチでは裏工作をするのに何かと予算がかかったんでな。シワ寄せがこんなところにきてしまったのさ。
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アシュラマン: | あれ、確かあのコントローラーはわたしの邸(いえ)の物置にあったんじゃないのか?
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サムソン: | ぼっちゃま、お忘れですか? 川で運命の別れをする前日にわたしの家で遊んで置いていったきりじゃなかったですか。
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アシュラマン: | あ…そうか。別れの時のショックですっかり忘れていたようだ。
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サムソン: | 話を戻そう。結局、流用をしたのはいいがムリがたたって裏技を許すスキを与えてしまったんだ。予算はケチるものではないな。
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ミート: | おかしいと思いましたよ。大体、十字キーやABボタンなんて魔方陣デスマッチには全く関係ないじゃないですか。
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スグル: | おそらく、またいつものフェニックスの思いつきで始めたからボタンをつぶす時間がなかったんじゃないのか?
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サムソン: | キン肉マン、その通りだ。魔界からあのクソ重いコントローラーを持って来るのだけでも一苦労だったのに…
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スグル: | 誰に仕えても苦労する性格だのう… ところでアシュラマン、どうしてデカいコントローラーが欲しかったんじゃ?
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アシュラマン: | 実はあるマンガを見て、いいなぁ…と思って… でも、あのコントローラーの評判は上々だったぞ! 何しろ近所の子供の羨望の的だったからな。
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一同: | (ファ○コン○ッキーかい…)
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スグル: | ソルジャーの強さか…わたしはビッグボディよりも弱いと思ってたんだが…
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ミート: | 違いますよ。それなら某謎本でやってたじゃないですか! 今回のはアタルさまの方のソルジャーですよ。
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スグル: | ハッハハハ! もちろんわかっておる。からかっただけじゃ。
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アタル: | 相変わらずのバカ王子ぶりだな、スグル。
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ミート: | あーっ、王位争奪戦後は罪ほろぼしにキン肉星の政務を取り仕切って多忙なのに、残虐チーム隊長としてゲストに来てくれたアタル様じゃないですかーっ!
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アタル: | 随分説明的だな、ミートよ。今回は残虐チーム全員で来たのだが…
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バッファローマン: | ぐっ…ブースの中にこれだけ入るとさすがに狭いな。
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アシュラマン: | お前が一番場所をとってるくせに…
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ブロッケンJr.: | 大体、全員呼ぶ必要なんてあるのか?
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ザ・ニンジャ: | 仕方ない。拙者は天井に逆さ吊りで参加しよう…
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スグル: | こうして見ると戦い以外はまとまりのない奴等だのう。
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ミート: | 改めて質問なんですが、「アタル兄さんは本当に強盗と互角の強さだったの?」というハガキが山のように来ているんです。
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スグル: | アタル兄さん、あんな強盗のようなチンピラと一進一退の攻防を演じるなんて、案外大したことないのう(肘で突つくスグル)。
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アタル: | だまらんかー、スグル!!
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スグル: | ヒエーッ!! …と言いたいところだが、アタル兄さん…事実は覆らんぞい。
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ミート: | 王子…とことん追い詰めてますね。
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バッファローマン: | 貴様ーっ! ソルジャーに何てことを!
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スグル: | ほう、これはおかしいではないかバッファローマン。あの強盗と一進一退の攻防を演じてると言ったのは他ならぬお前たちだぞ!
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バッファローマン: | グ、グムー…
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アタル: | スグル、よく考えるんだ。音だけで何が分かる。
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スグル: | だけどアタル兄さん… 現にわたしも本能だけで戦ったこともあるぞ(ウォーズマン戦参照)。
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アタル: | 確かに一流の超人ならば音だけでも戦うことは十分可能だ。だが…こいつらをよく見てみろ! 超人格闘者になりたての未熟な者(最終話参照)の上、耳がマトモについてないじゃないか!
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ミート: | そ、そう言われれば…
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ブロッケンJr.: | (な…何か普通の人とは違うなーとは、思ってたが…)
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アシュラマン: | (うーむ、冠の下にはあるのだが…)
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ザ・ニンジャ: | (拙者の頭巾はシノビの掟で外すのを禁じられているからな…)
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バッファローマン: | (そう言えば考えもしなかったな。ヅラを外した時にもなかったな…オレの耳… もしかしてロングホーンが耳の代わり…いや、それもあの時は折れたままだったし…)
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スグル: | お…おーい、どうしたんじゃ4人とも。考え込んだりして。
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アタル: | どうやらそれぞれが自分の未熟さに気付いたようだな。大体…予言書さえなければフェニックスを倒していたわたしが強盗ごときに手こずるはずがないだろう。
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ミート: | ま、まぁ…当然と言われれば当然ですね…
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スグル: | ふいーっ、何だか久し振りのような気がするのう。
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ミート: | 当たり前ですよ、王子。二年振りですからね。
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スグル: | まったく、作者も何をやっとんだか…
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テリー: | ヘイ、キン肉マン。質問がきてるぜ。
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ミート: | あ、すいませんね。えーと…「ロビンの父親のヒゲって、どうなってるの? もしかしてマスクを突き破ってるとか…」
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スグル: | あり得ん話ではないのう。ロビンもかなりの変態野郎だからな。
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テリー: | キン肉マン、そんな事を言ってると…
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ロビン: | 超人ロケットーっ!!
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スグル: | おわーっ!
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ロビン: | 誰が変態野郎だ、たくー。
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ミート: | あ…それ、ボクの台詞…
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ロビン: | さっきから黙って聞いていれば… いくら超人でも鋼鉄のマスクを貫くヒゲなど存在するわけが…
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テリー: | しかし、ロビン…キン肉マンの言う事にも一理…
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ロビン: | テリーまで…この!(ボストンクラブかける)
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テリー: | わーっ、ギブギブギブギブ!!
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ロビン: | あのヒゲは…我がロビン家に伝わる由緒正しいヒゲなのだ。
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ミート: | 由緒…
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テリー: | 正しい…
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スグル: | ヒゲー!?
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ロビン: | 何だ、みんなその疑惑の眼差しは…
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テリー: | ロビン、もう少しマシなウソをついてくれないか。まあ、オレの両腕にあるスターエンブレムはテリー一族の魂が具現化したもので、一人前になった時に受け継がれるものなのだが…
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ミート: | それもよく考えればヘンな気が…
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テリー: | ミートくん、しかしこれは本当の事なのだ。先祖代々より受け継がれる魂の象徴というものは、グランマのホームパイのようにどこの家にもあるとは思うが。
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スグル: | しかし、わたしの家ではそんなものは見たこともないぞ。受け継がれると言われてもな…
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アタル: | その事ならわたしが説明しよう。
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スグル: | ア、アタル兄さん!?
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アタル: | 前回も出てきたのにそんな気が全くしないな。まあ、それは置いといて、だ。スグル、お前も無意識にその行動をとっているのだぞ。
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スグル: | ナヌ、わたしが?
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アタル: | そうだ。お前がキン肉星の戴冠式の時に何をしたと思う。
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スグル: | えーと、あの時は…ブロッケン達をどついて…
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ミート: | 王子にオナラを浴びせられて…
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スグル: | ほんでもってフェニックス達が出てきて…と、そんなところかのう。
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アタル: | …端折(はしょ)りすぎだ…
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ミート: | ハッ…そう言えば王子、あの時は大王さまのモミアゲを引きちぎってましたよね。
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アタル: | そう、まさにそこだ。スグルは知ってか知らずかキン肉王家・魂の象徴を受け継ぐ行為をしているのだ。
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スグル: | あのモミアゲがキン肉王家・魂の象徴ーっ!?
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アタル: | 信じられんのもムリはない。わたしもそれを聞かされた時にはショックだった。あれは丁度、過度の大王教育でわたしがグレ始めた頃…それが引き金となって家出に繋がったのだ。
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スグル: | 兄さん…
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テリー: | そう言えば聞いたことがある。キン肉族には神世の昔より受け継がれるという伝説のモミアゲがあるということを…
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ミート: | テリー…どこでそんな情報を…ボクでさえ知らないのに。
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ロビン: | そ、そうか。黄金のマスクにはモミアゲが…
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アタル: | その通り。さすがはロビンマスク。あのモミアゲは家督に関係なく長男が継ぐものと決まっているのだ。そして、これが最近発見された新しい予言書なのだが…
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ミート: | あ…「Muscleman Second Generations」って書いてありますねぇ。
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アタル: | これは従来の文章主体の予言書ではなく、予言画とも言えるものだ。まあ、見てくれ。
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テリー: | ゲーッ!! こんなことが…
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ロビン: | 物理的に可能なのか…
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スグル: | オワーッハハハハ!!
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アタル: | 笑わんでええ!(スグルどつく)
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ミート: | アタルさま、この絵は…
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アタル: | うむ、どうやらわたしの未来の姿を描いているようだ。いや、実に良い絵だ。実に…フフフ…
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スグル: | ミートよ、わたしはモミアゲだけはアタル兄さんに押しつけ…いや、譲ってもいいぞい…
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ミート: | やっぱり…
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