いわお塾
いわお塾 週間スケジュール
塾頭がいろいろな場面で質問に答えてきたものを集約したコーナーです。
画面の制約上、端的な答だけを網羅しています。より詳しい解説についてはメールにて質問をお寄せ下さい。
■ 人生・社会に対する疑問をお持ちの方へ ■
− 政治・経済編 −
激論コーナーへは下記入口からどうぞ
− 哲学・宗教編 − − 政治・経済編 −
Q 不景気とは何ですか?
A 貨幣の流通速度の減退です。

Q 不景気下では企業収益は悪化しますか?
A 上目になっていた固定費の調整期間が終わるまでの間、収益が一時低下します。
しかし一方で原材料費・金利などのコストも低下するのでその後バランスします。
したがって不景気によって企業収益が低下しつづけるわけではありません。

 逆に好景気の初期段階では下目になっていた固定費の調整期間が終わるまでの間、
収益が一時上昇します。
しかし一方で原材料費・金利などのコストも上昇するのでその後バランスします。
結局のところ長期的に見れば景気の変動そのものは「企業収益」に直接影響を
与える要因ではないのです。


Q しかし現実には家計は苦しく経済の停滞感はぬぐえません。
  その原因は何でしょうか
A それは1974年以降の放漫経済政策による「人為的な不況」のせいです。
これが全体の経済回復が可能にならない根本的な理由です。

  ※詳しくは政治編「人為的な不況の本質」へ


Q 製品開発の本質は何でしょうか
A 既存のサービス、技術、販路の新たな組み合わせです。

 たとえば「かつカレー」を考えてみてください。
これはある時期の「新製品」ですがもともと「とんかつ」はあったし、「カレー」もありました。
それがある時だれかがカレーにとんかつをのせて食べてみたら意外にうまいということを
発見した、そこから広まったわけです。

つまり新規財というものも、まったく何もないところから何かが突然出現するわけではなく、
既存のものの新たな組み合わせによって生まれるのです。


Q 製品開発において新たな組み合わせを可能にするのは何でしょうか?
A 潜在意識です。

Q 製品開発は市場調査(リサーチ)によってなされるのではないのでしょうか
A 何を市場調査するかによります。
新規財とは「今は目に見えないもの」ですから「潜在顧客の潜在意識」をリサーチ
しなければなりません。

 ・ ひとつの製品のライフサイクルは下図のようになっています。



一般財のライフサイクル1

今最もヒットしている財をリサーチし、自社での扱いを開始する「追いかけ型」または
「製品多角型」の開発戦略は、それが的確にリサーチされたものであればあるほど
その財のライフサイクルのピーク時に参入が決定されるという皮肉な性質を持っています。

 図で言えば、最もマーケットが成熟したA点での参入なのですが、この財を
参入チャンスとして狙っていた他社もこのA点での参入を決定しますから、一気に
過当競争に陥ってしまうのです。


一般財のライフサイクル2(潜在意識側)

潜在意識は、このカーブの上側の黒色部分で表されます。
反対側から見るとまったく同形のカーブになっているでしょう。
つまり潜在意識側ののピークが新規財の出現ポイントであることが分かります。
「世の中に現時点では存在しない」が「本来は最も必要とされている」ものが
何かのきっかけで形をとって現れる、これが新規財が誕生する瞬間です。


Q 組織において製品開発を加速する手法がありますか?
A あります。インフォーマルな情報のやり取りを増大させることです。

  たとえば「自転車」という新規財を考えてみましょう。
これは20世紀になって爆発的に普及するのですが、それを成りたたせている
パーツである車輪そのものは何千年も前からありました。
それに動力を伝える歯車も材料の鉄も大昔からあったものです。
それが20世紀になって車軸の材料となる鉄や、タイヤの材料となるゴムが大量に
安価に供給されるようになって始めて新たな組み合わせが可能となり今日見られる形の
自転車として世の中に普及し始めるのです。

こうした新たな組み合わせは潜在意識の中に内在していてその時点では目に
見えませんが、たとえば営業マンと研究者がなにげない雑談をしている時など、
ひょんなこと(正確に言えばインフォーマルな形での情報入手)がきっかけで顕在化されます。

したがってそれを知りぬいている経営者はあらゆる機会を通じてこのインフォーマルな
情報の交換を増大させる手段をとるわけです。
Q コストダウンの本質とは何でしょうか?
A 整理整頓です。

Q 顧客満足度は何によるでしょうか?
A コストと付加価値の両者によって決定されます。
  すなわちコストに反比例し付加価値に比例します。
Q マーケティングとは何でしょうか?
A 将来顧客の潜在意識の把握です。

Q バブル破綻の原因は何ですか?
A リゾート開発によって有効需要が創出できると過度に期待した点です。

  1974年日本経済の質の変節点を迎えた日本は、それ以上輸出主導の
経済発展が期待できず、何か有効需要の創出による景気刺激策がないかと
模索していました。

一方、欧米では「働き蜂」批判が相次ぎ日本の労働時間が長過ぎることも問題化
していました。
さらに戦後、重厚長大型の基幹産業の育成が一段落したことによりその存在理由が
問われていた日本興業銀行などのいわゆる「戦後復興のための政策銀行」は、長期で
多大な資金の需要先を求めていました。

この三者を一挙に解決する妙案として「リゾート開発」構想が浮上しその後、
全国各地にあっという間に広まったのです。
もちろんいくら日本人が働き過ぎだといっても、そこまでの余暇需要が生まれるまでもなく、
ほとんどのリゾート計画が惨憺たるありさまになったのはご承知のとおりです。


Q バブル破綻に銀行の責任はありますか?
A あります。 静態的担保価値のみを評価してきたことです。

あたりまえのことですが銀行融資の際に担保として評価される土地や設備は、
そのままで収益を生むものではありません。


それを活用して付加価値を生みだしていくのは「人間」であり、その「日々の活動」
なのです。
したがって本来は銀行にも、経営者の経営能力、管理手法といった「動態(動き)」を
評価する手法がなければなりません。

 明治維新、戦後復興と全体として右肩上がりの成長を果たしてきた間はそれでも
大きな矛盾は生じなかったのですが、日本経済の質が変わってからも従来どおりの
評価手法を踏襲してしまったところに問題の本質があるのです。


Q リストラの本質は何でしょうか?
A 年功序列型給与体系と職務遂行能力との乖離の短期調整です。


Q 発展する組織の条件とは何ですか?
A よい部下や後継者を育てる組織です。

 みなさんは引越しや、大掃除などの時にひょっこり昔の雑誌や本がでてきて、
かつてはみずみずしく輝いて見えた写真やデザインなどがえらく古ぼけて見えるのに
驚かれたことがあるでしょう。
このように一つの形成されたものは一瞬一瞬のうちに少しずつ少しずつ、その本来の
意味を失っていっているのです。
そのことを知っているリーダーは部下にも単なるイエスマンを求めず、矛盾があれば
いつでも本質に立ちかえって疑える組織風土づくりに努めるのです。


Q では衰退する組織とはどんな組織ですか?
A 部下や後継者にイエスマンのみを求める組織です。

完璧なイエスマンであるということは、その意識の広がりが上司の意識の広がり未満
であることを意味します。
しかも自らがイエスマンであることによって後継者の座についた者は、その後継者にも
またイエスマンであることを要求しますので、この負の循環は組織自体が存亡の危機に
立たされるまで続きます。
この負の連鎖の過程が「衰退」です。


Q 部下が普遍原理を体得しているかどうかを確認するのにどんな方法がありますか
A あるケースを話題にして「相性ゲーム」をやってみることです。

 たとえばトップとその幹部とが「新規出店の場所をどこに決めるか」という戦略課題を
話し合っているとします。

その時にトップが先に「おれはAの方がいいと思う」と発言し、幹部がそれを聞いてから
「ええ、私も実はそう思っていました。」と言ったとしたらトップの側には、その部下が
単なる迎合でそう言ったのかそれとも本心からそう言ったのかについての疑いが
消えないことになります。

 逆に幹部が先に結論を述べ、トップがそれを「その通り、私もそう思っていた」と
言ったのなら、今度は幹部の側に疑念が残ります。

 そこで二人とも相手に見えないように答を紙に書きあい、二人同時にそれを
見せ合うのです。
トップと幹部の両者が「普遍原理」を分かちあっているのならその答はほとんどの場合
一致します。
このようにして両者が普遍原理を共有していることが確認できます。


Q 民主主義とは何でしょうか
A 多数決です。

Q 民主主義は絶対なのでしょうか
A 絶対ではありません。

 政治の理想であり本質は「人民の一人一人が本来の自分を発現し、それぞれに
生き生きと生きていける国をつくる」ことに尽きます。
 民主主義や君主制などのシステム自体は、時代や地域の特性に応じて
成立してきたもので、何ら固定的・絶対的なものではありません。


Q 二大政党制は理想的な政治形態なのでしょうか?
A そんなことはありません。

 二大政党制とはイギリスやアメリカのある時期の国内事情から生まれたもので、
日本がこれを導入する意味も必然性もありません。


Q ではなぜニ大政党制が理想の政治体制のように言われるのでしょうか
A 三つの要因が重なっています。

 ひとつは政権与党から見て煩わしい共産党などの小政党の影響力を政治から
完全に締め出すことで、これはアメリカと同じ事情です。

 二番目は選挙基盤の弱い若手を抱える民主党の選挙対策です。

 三番目はアメリカやイギリスなどの制度が「進んでいるいい制度」と単純に
信じこんでいる西洋コンプレックスによるものです。

 そもそも民主主義が衆愚政治に陥り政治自体が機能低下している現状で、
その制度をいじくりまわしたところで何の意味もありません。


Q なぜ日本の政治家にはリーダーシップがないのでしょうか?
A 末期の民主主義によって出てきた政治家だからです。
  民主主義は末期には衆愚政治に陥ります。


Q なぜ今が民主主義の末期だと判断できるのでしょうか?
A 政治を担当する政治家そのものに内在する「時間の幅」が狭く目先の事態を
とりつくろうことだけに終始しているからです。これでは発展的な未来は生まれません。

 「現在」という状況は突然出現したのではなく一定の過去の行為の結果として
生まれたものです。

 たとえば今の日本の経済・財政状況は田中角栄以来の「公共事業主導型」の
経済政策が、また外交の無策は吉田茂以来の「内治優先型」政策がもたらした
ものです。
こうした政策は絶対的なものではなく常に本質を疑っていかなければ、時代の経過
とともに効力を失っていきます。
つまり政策や法律、社会体制という目に見えないシステムにも「耐用年数」があるのです。

 このことを分かっている政治家ならば30〜50年の幅で過去を検証し、これまで
「常識」とされてきたシステムの「形」を否定し「本質」を復活させる努力をします。
ところが現在は、そこまでのシステムを疑う政治家がいないか、いても主流派から
外されていることから判断できるのです。


Q 過去30〜50年にわたる「疑うべき常識」とは何ですか?
A 「景気対策としての公共投資」と「アメリカ属国主義」です。

Q しかし今、日本がおかれた現状でアメリカとの協調路線は仕方ないのではないでしょうか
A もちろん「本来は、日本の独立外交システムを樹立すべきだけれども今は
その時期ではない」と判断するのならそれはそれで立派な見識であり戦略眼です。
しかしもし長期の時間意識を持つリーダーがその決定をする時には必ず表には出ない
インフォーマルなネットワークを持ちます。
なぜなら「現在の秩序の基準からするとはみださざるを得ないもの」のうちに「将来無視
できない大きな存在になるもの」の萌芽があって、それがリアリティ(現実味)をもつものとして
目に入るからです。 

 これに対して、短期の時間意識しか持たないリーダーの場合には、この萌芽が認識
できず、したがってインフォーマルなネットワークの必要性など想像も出来ないのです。

 このように外部から見ると同じに見える戦略でもその背後の厚みには雲泥の差があるのです。


Q 目先の問題の特徴とは何ですか?
A 関心が持続される時間が短いことです。

 政治家が秘書給与をごまかしていた、年金の手続きミスがどうしたこうしたなどという
問題は政治の本質とは程遠いものです。
それを騒ぎ立てる国民の側もそのことを直観的に知っていますから、1月もしないうちに
つぎの新たなスキャンダルに関心が移るのです。

 問題はこうした問題で政治が空転してしまい、もう30年も本当に必要な経済・
外交戦略が実施されていない点にあります。


Q しかし目先の問題が頻発する以上、その対応はすべきではないのですか
A 目先の問題はいつの時代にもどんな組織でもそれなりにあります。 
  問題はそれが「先行管理」されておらずいつも後手に回ることにあります。

 たとえば30〜50年にわたるような長い時間意識を持つリーダーは、ジグソーパズルの
一部を見て全体が類推できるようなものです。
したがってわずかな予兆が現れた時にすでにそれを先行管理するフォーマル、インフォーマル
なシステムをあらかじめ作るのです。

  これに対し時間意識がせいぜい3年ぐらいまでしかないリーダーはその予兆が
「見えない」のでこの「先行管理」の体制も作らないしその必要性も理解できないのです。

ちょうど倍率の低い望遠鏡ではある一定の距離以上は見とおせないようなものです。


時間意識の長短による事象認識のモデル


Q では長期の時間意識を持つリーダーが出現する方法はないのでしょうか
A あります。耐用年数の過ぎている今の「選挙制度」の枠組みそのものを変えることです。

Q 田中角栄の功罪とは何ですか
A 功は、明治維新以来立ち遅れた「地方」の貧しさを救済しようとしたこと。
  罪はそれを達成する手段として従来型の公共事業に頼り、政治の集金手法を後継者に
  蔓延させたことです。

Q 日本経済の閉塞状況をもたらした原因は不況ではないのですか
A ちがいます。
日本経済の質の変節点にきても政策転換ができないままでいるところに本当の原因があります。

 たとえば江戸時代には同じ現象を不作・豊作という言葉で表現していました。
このような好不況のサイクルはいつの時代にもどんな国にもあるもので、問題の
本質ではありません。

 人間は信じられる未来があれば多少の不自由さは耐え忍べます。
それを目の前の景気対策というごまかしのもとに将来にわたる多大な負債を抱え、
国民の可処分所得がますます目減りするという「人為 的な不況」が閉塞感を
生んでいるのです。


Q 「人為的な不況」の原因は何ですか
A 大きく言って二つあります。
ひとつは行政改革を放置し、肥大化する一方の官僚組織をスリム化することもなく
その予算増大のつけを国民に押しつけるため消費税を導入したこと。
もうひとつは安易に赤字国債を発行し続け、1970年前後にはわずかしかなかった
国債残高があっという間に800兆にも達している点です。

前者は国民の目の前の可処分所得を減らし、後者は国民の将来にわたる不安感を
あおってますます目先の支出を減らすという最悪の循環を生み出しています。
すべては日本経済の質の変節点以降の放漫経済政策がもたらしたものです。


Q 消費税導入は不景気で税収が減った以上しょうがなかったのではないですか
A そんなことはありません。「(本来の)不景気で税収が減る」というのは家計で言えば
何かの事情で一時的に収入が減った状態を指します。
そんな時に家庭であれば、まず無駄な支出を見直し、倹約をしようとするでしょう。
それをせずに国民に負担を押しつけるから、国民の可処分所得の減少になる→
さらなる「人為的不景気」に陥る→さらなる消費税のアップ、という限りない負の連鎖を
よんでいるのです。

現に政府は3パーセントの消費税の導入で国民の感覚をマヒさせ、次は5パーセントの
消費税を導入を果たしました。
恐らくこのままでいけば次は2006年前後に7パーセント、2010年には10パーセントの
消費税の導入をはかるでしょう。
問題の本質を見誤ってはなりません。


Q 消費税と国債発行はどちらが罪が重いですか
A もちろん消費税です。
国債発行は「買わない」ことで抵抗できますが、消費税は弱い立場の国民全体に及ぶので
経済のさらなる停滞、生活実感のさらなる悪化を呼びます。


Q 国債は国が保証する安全な債権ではないのでしょうか
A 安全ではありません。今のままでいけば紙切れ同然になるのは目に見えています。

 たとえば第2次世界大戦中にも日本は大量の国債を発行し、それは戦後の猛烈な
インフレで紙切れ同然となりました。
また1991年のソ連崩壊にあたっては同じくその国債が紙切れとなりました。

考えてみてください。政府(および自治体)は平成16年時点で800兆円に届こうという
国債を抱えているのです。これは年収500万円の世帯で1億の借金を抱えているのと
同じことですが、この借金が無事に返せると考える方がおかしいはずです。


Q 国が経済破綻すればどのような現象が起きるのでしょうか
A 円が無価値なものとなり、それに連動する経済の大混乱が起きます。

 国の経済破綻とは結局は国家(政府)の信用がゼロになることに他なりません。

したがって経済破綻が起きると同時に猛烈なインフレが起き、それまで日本国の名において
発行していた貨幣(円通貨)および国債が紙くずとなります。
さらに国債保有比率の高い銀行の株券、政府系の仕事によって成り立っていた会社の
株券の順に市場価値が急激に低下します。

 また産業別に見れば石油や鉄鉱石など海外調達資材の価格が急激に高騰しますので、
それが販売価格に転嫁されるまでの間、各企業は相当の苦しみにあえぐことになります。

 もちろん一番打撃を受けるのは年金生活者など、円建ての収入や円建ての預金に
頼るしかない都市部の人で、食うや食わずの生活を強いられることになります。


Q 日本の経済破綻の時期を予測することは可能でしょうか
A このままのペースでいけば2011年、すなわち国債の発行残高が1000兆を突破し、
10%の消費税が導入された翌年であろうと予測されます。


Q 経済破綻を回避するためには、どんな方策が考えられるでしょうか
A 平成の徳政令(リデューシング)を実施し、800兆円(2004年時点)に及ぶ国債を
いったんチャラにして一気に国家予算の健全化をはかることです。

Q しかし平成の徳政令(リデューシング)をはかれば、その時点で経済の大混乱が起きるのではないでしょうか
A 平もちろん、株価の下落、円安による物価の上昇など、経済はいったんは混乱します。
しかしこの施策によって一番打撃をこうむるのはこれまで国債を購入するゆとりのあった
富裕層なので、これを放置しておいて経済破綻する場合に比べればはるかに軽い打撃で
おさまります。

現代の日本の財政状況は幕藩体制が揺らぎ出した幕末に似ています。
たとえば薩摩藩は年間の財政収入10万両に対し、その借金は400万両に及んでいました。
そこで財政再建のために大抜擢された下級武士の調所広郷は、その借金をいったん
チャラにし、その上で元金だけの120年返済を提案、豪商などにしぶしぶこれを認めさせます。
もちろんこうした強引な手法は当時としても非難ごうごうだったのですが、こうした経済再建を
いちはやく実施できた薩摩藩、長州藩、佐賀藩などがいち早く藩内の産業新興に成功し
維新をリードできたのです。


Q 日本の経済破綻後、どんな産業が生き延びるでしょうか
A まず米を中心とする国内農業は安定的でしょう。
つぎに当初の混乱が一段落すれば海外製品との交換価値の高い産業の順に復興して
いくことが予想されます。


Q 町村合併はなぜ必要なのですか
A もちろん何の必要もありません。
これまで地方も国の真似をして
行政の合理化を先送りにし、放漫財政を繰り返してきた
つけがきているのにすぎません。
したがって今の行政の経費構造をそのままにして町村合併したところで、3年後(2007年)
には、また新たな町村合併が必要となるでしょう。

 もし、みなさんの市町村で町村合併が既に決定されているのなら経費構造をチェックして
みてください。
首長を含む議員数や職員数、公共事業が大幅にカットされた上での合併ならそれなりに
意味があります。
しかしそうしたものを放置した上で、「自治体が大規模化すれば国の補助金が得やすいから」
という後ろ向きの理由で町村合併が決定されているのならそれは数年のうちに必ず破綻します。


Q 行政改革はなぜ進まなかったのですか
A 性悪説管理の観点が脱落していた点です。

 組織は肥大化するほど官僚化し、表面上は「行政改革」の趣旨に反対はしないものの
実質的には巧妙な抜け道を探そうとするものです。
したがってそれを許さない短・中・長期にわたる定期チェックの性悪説管理が必要なのですが、
この部分がすっぽり抜け落ちていたのがこれまでの行革の欠陥です。


Q 性悪説管理とは何ですか
A 国民の税金を使う一切の「現金支出」を出口で把握し、いつでもチェックできるシステムの
ことです。


Q そんなチェックをするのはあまりにも膨大過ぎてかえって人件費がかさみませんか
A 毎回チェックするわけではありません。
まず現金支出のフローチャートを国、自治体に作らせることです。その上で抜き打ちで
ポイントチェックすればそれほど手間はかかりません。
またその抜き打ちチェックはオンブズマンなどのボランティア団体の協力を仰げばほとんど
人件費もかかりません。


Q 性悪説管理は、何か重箱のすみをつつくだけのような気がします。
   それで経済の再生が可能なのでしょうか
A もちろん性悪説管理だけではだめです。そうやって浮いた資金で若い人たちの未来が
開けるような事業を創造するのです。

 たとえば家庭の主婦であれば、家計が苦しくなれば日々のこまかい経費にも目を配り
1円でも無駄な金を使わないようにするでしょう。

しかしその一方では、子供の未来のための投資には出来る限りのことをするはずです。
ところが国や自治体のように組織が肥大化するとこの当たり前のことがどちらもなおざりに
なってしまうのです。

性悪説管理とは、その当たり前のことを「国民の手に取り戻して」実行する手段のひとつに
過ぎません。


Q 特殊法人はどんないきさつで生まれたものですか
A (おそらく)吉田茂の時に落選官僚対策で生まれたものだろうと推察されます。

 戦後、とにかく疲弊した国民経済を立て直そうとした吉田茂にとって非常に短期の
時間意識しか持たない戦前からの生き残り型政治家(いわゆる党人派)の存在は
目障りなものでした。

そこで彼は長期の時間意識を持ち、国家百年の計を考えることの出来る人材の供給源
として高級官僚に目をつけ、彼らを大量に立候補させます。
ところが、選挙には「落選」という負の可能性がいつでもつきまといます。
その時に官僚の身分を保証するものとして「特殊法人」を使ったのが最初であろうと
推察されます。

 それが田中角栄以後、何の必然性もなくただ天下り、裏金作りの温床として利用
されているのはご存知の通りです。


Q 新規の公共事業にはどう対処すべきですか?
A 必要性を基本的に疑うことです。そのためには公聴会を開き、広く世論を喚起することです。

Q 日本経済の質の変節点とはいつを指しますか?
A 1974年、一人あたりの貯蓄高が一人あたりの年間収入をはじめて上回った時です。

 富国強兵を目指した明治維新は維新後100年で「富国」の方は実現し、1974年には
国民一人あたりの貯蓄額が年間の一人あたりの収入をはじめて上回りました。

そのことはそれまでの低賃金労働力を武器とした輸出主導・中央主導による経済発展が
それ以上望めない、あるいは望めたとしても対外摩擦がますます激しくなることを意味します。

そこで産業の地方分散、自前の外交戦略の樹立を目指した田中角栄、それに続く
大平正芳がそれぞれ「日本列島改造論」「田園都市構想」をビジョンとして打ち出し
その実施に取りかかるのですがいずれも志半ばに終わります。

 その後の政治の混迷はご承知のとおり。
すべて当時の政治課題の域を一歩も出ていないまま、消費税はあがる、国債残高は
急カーブで上昇するとますます悪化の一途をたどっているのです。


Q 従来型公共事業の欠陥とは何ですか
A 目先の雇用だけをもたらし、そこに投じた金が次の需要に波及していかない点です。

 公共事業による景気浮揚策とは短期・限定的な非常手段です。
しかもそれは次の新たな有効需要を創造する潜在需要喚起型でなければなりません。
それが従来型公共事業では財政出動の額だけが議論されて、その有効性そのものは
だれも疑っていないところに問題があります。


Q では、これまで有効とされてきたケインズ理論が間違っていたということでしょうか
A ケインズ理論が間違っていたわけではありません。
政策が実施された1930年代当時のアメリカではそれなりに有効でした。
それが現在の日本では有効ではないという意味です。


Q 有効な波及効果をもたらす公共事業とは何ですか?
A 若い人の潜在意識に訴え、それを活性化させるような事業です。

 今を時めく大企業の創業期のドラマを想像してみてください。

世間的に満足のいく給料も出せず、残業代もない、将来の保証もない、そんな中で
創業者とそのごく一部の同士は寝る間も惜しんで研究開発あるいは販路の開拓に
はげんだのです。
そこにあるのは将来の夢の共有だけ。しかしそんな中から未来が生まれるのです。

 今の公共事業にはその「未来の夢」がないのです。


Q 吉田茂の功罪とは何ですか?
A 功は戦後の経済復興を成し遂げたこと。
   罪はそのためにアメリカの政治的属国となることを選択した点です。


Q 大久保利通の功罪とは何ですか?
A 功は明治維新を成功させ、日本が欧米の植民地となることを防いだこと。
   罪はそのために徳川政権下における下級武士のエネルギーを利用したことです。


Q 政治家の罪の部分は本人は自覚したのでしょうか?
A もちろん自覚しています。
  特に大久保利通などは盟友の西郷まで抹殺せねばならなかったのですから
内面の悲しみには大きなものがあります。


Q 歴史上の人物の内面を理解することが可能でしょうか?
A ある程度可能です。
  ジグソーパズルのかけらを見て全体像を推察するようなものです。


Q 徳川家康の功罪とは何ですか
A 功は戦国以来の政治的混乱を長期にわたって安定させたこと。
  罪は
その手段として身分制度を固定化し鎖国をしたことです。


Q なぜ家康は鎖国をしたのでしょうか
A キリスト教の流入を防ぐためです。

 正確には鎖国が完成されるのは家康の死後20年、島原の乱が起きた後になりますが、
家康の国家安定策の延長であろうと類推されます。


Q 織田信長の功罪とは何ですか
A 功はもちろん戦国時代を終結させたこと。
   罪は本人が天才なので秀才の限界と悲しみを理解できなかったことです。


Q 共産主義の功罪とは何ですか
A 功は「資本を持たないものがますます窮乏化し、労働の喜びからも配分からも
のけ者にされる」という資本主義に潜む構造的な矛盾に警鐘を鳴らし、モデル国家を
作り上げたこと。
  罪はそのモデル国家が今度は新たな権力の独占を生み、官僚主義におちいったことです。


Q 資本主義の功罪とは何ですか
A 功は、土地を持たざるゆえに封建領主の支配に甘んじていた農奴の自由身分への
移行を可能にしたこと。
  罪は、資本(貨幣)という新たな権力構造を生み出したことです。


Q 組織管理において性善説と性悪説とはどちらが有効ですか
A どちらも必要です。

 性善説と性悪説はあれかこれかというような対立概念ではありません。
そうではなく性善説が性悪説を包摂するのです。

 この問いにはまず性悪説と性善説が対立概念であるという根本的な誤解があります。
性善説と性悪説は、あれかこれかを選択するような対立概念ではありません。


性善説が性悪説を包摂します。

 たとえば企業で「トイレ掃除を徹底する」というようなごく小さな基本動作を徹底させる
場合を考えてみましょう。

 Aという会社のトップは「みんなで心がけてトイレをきれいにしましょう」という張り紙を
トイレに張り出しました。
 Bという会社のトップは黙ってトイレに掃除当番表を張ります。
もし掃除がしていなければ後の当番の人が×印をつけ、その結果は月に一度の会議
の場で公表されるというものです。

数ヶ月経った後にどちらがトイレ掃除が徹底しているか? 
もちろんB社の方なのは明らかでしょう。これが性悪説に立った組織管理で、短期あるいは
局所的な管理には効果的です。管理の初歩といってもいいでしょう。

 しかし、これだけでは企業は発展できません。
製品開発や顧客管理、事業部制における権限委譲のような長期にわたる企業戦略には
人間の善なる発展性への信頼が不可欠だからです。

 これが性善説が性悪説を包摂するという意味です。




Q 組織管理において性善説と性悪説の二つからどうしてもひとつを選ぶとすればどちらを選ぶべきでしょうか
A 性善説です。

 性善説と性悪説は本来は両方あい伴っていなければいけないものですが、何かの事情で
どちらか一方だけを選択せざるを得ない場合は性善説を採るべきです。


性善説だけでは組織にロスが多く、効率的な発展は望めないのですが組織内の人間関係は
良好で、現状維持は可能です。これに対し性悪説だけでは組織内の人間関係はぎすぎすした
ものとなり、組織は必ずジリ貧状態となります。



Q なぜ宗教同士がいがみ合うのでしょうか?
A それぞれの宗教がいつのまにか「経典主義」におちいってしまっているからです。

Q 「経典主義」とは何でしょうか
A 自らの奉ずる宗教のみを絶対視し、自らの正しさを自らの奉ずる宗教の「経典」の字句
によって証明しようとすることです。

 その時にもし他方の宗教も同じように「経典主義」におちいってしまっていれば、ここに両者の
激突が生じます。


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