「境内にて」
蝉があちこちで短い命を謳っている
木々はやさしく囁いている
石段を登り詰めて
どっと吹き出した汗を
涼風がどこかへ飛ばしてくれる
じっと暫く佇んでいると
いつしか時間の感覚が薄れてしまう
時折カラカラと絵馬が駆ける音がする
僕はすこし遠いところへ来たようだ