「船の旅」

汽笛とともに
ゆっくりと動き始める
港から離れるにつれて
どういうわけか
こころの波が押し寄せて
涙がこみあげてくる
諦めるはずだった
でも忘れられなかった
ゆらゆらと不安そうに揺れながら
船はようやくスピードを上げていく

速い速い
しぶきを上げて
船は一直線に走りぬける
いくつもの島を横目に
どこまでもかけぬけていく
きらきら輝くエメラルドの海を
ながめながら浮かんでくるのは
君のことばかり
今ごろ君は
何をしているのだろう
僕のことなんか忘れて
賑やかに夏を満喫しているのだろうか

潮風が胸にしみる
僕はあてもなく
まだ見ぬ所処へ旅をする