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ロートアイアンは西洋建築の装飾エレメントとして、その時代ごと様々な様式をもって発展してきた。
鉄器時代はB.C.1200年頃始まったとされているが、約9000年前頃にはエジプト人によって鉄を実用に供されていたと言われていて、A.C.1世紀頃には、扉のヒンジや薪台、指輪などが発見されており、武器だけではなく日常品にも鉄が使用されていたことがわかっている。
11世紀頃になると、ノルマン人による”唐草模様”を主流にした装飾性の高い作品へと発展、その後ゴシック、バロック、ロココ、アールヌーヴォー、アールデコ、工業革命、20世紀前半のモダニズム、戦後の復興運動などの表現を経て、現在もなお進化し続けている。
歴史的に重要な作品などは美術館、博物館に保管展示されているものもあるが、その多くは実際に施された現場で現在も観ることが出来る。
イタリアでの修行中、合間を縫っては現地に出かけ、写真撮りとスケッチをして廻った。
先に述べた時代様式の流れを基に観て行くと、技術発展の過程なども分かってきて益々魅力が増し、地域の特色も見て取れるようになってくる。
美術館などに収まっているものも素晴らしく、大いに参考になるものばかりだが、今もなお雨風や日光にさらされながら、街並みの一部として溶け込んでいる現役作品に心惹かれてしまう。
大事に扱われ手入れも行き届いている、そんな環境に感動しまた羨ましくも思えた。
12月に入り日照時間も短くなり、天候不順が続く中、大小様々な町を相変わらずの鉄探訪。
しかし思ったほど日中に巡ることが出来ず、心身ともにストレスを感じ始めていた。
そんな折、数日間滞在していたヴェローナの街にクリスマスイルミネーションが燈り始めた。
映画のセットの様に美しいこの街に、新たなエッセンスが加味された。決して派手では無いその灯りは、鉄ばかり追い掛けていた私に、一息吐いてもっと広い視野で学び楽しむことを気付かせてくれたような気がした。冬夜空の下、遅くまで徘徊しシャッターを切り続けた。この夜初めて鉄のことを忘れたそんな気分だった。
 03
 
鉄巡礼



Essay