パンダの購入 -傾向と対策-
パンダの購入で注意するのは、
- 走行距離(実距離)
- 車両の程度(傷、へこみ、ボディの傷み具合などを現車確認する)
- 消耗品・部品交換頻度(修理記録の確認と初期化)
- 金額
- メンテナンス先の確保(パンダを修理してくれるお店)
です。ほとんど普通に中古車を購入するのと同じですが、メンテナンス先の確保が欠かせません。なぜなら、パンダは中古でしか購入できない上、消耗が早い部品が多く、定期的(または恒常的?)なメンテナンスが必要だからです。まあこれを考えると先に進まないので、まずは他の4点について考えましょう。
さてパンダには必須といえる部品交換。後々のこの頻度は走行距離と車両の程度で軽減ができます。一般にボディの傷み、小傷が少ない個体は良好な状態で維持されていることが多いです。(基本的に大事に乗っている可能性が高い)。ただし走行距離が少ないのに異常に費用が安い個体は事故車であったりするので、注意が必要です。
ちなみに現車確認は一人で行なわないようにしましょう。なぜなら車を前にすると、まず興奮して冷静に判断ができないからです。(私はそうです。)パンダのことを良く知っている人と確認するのがベストです。(・・・でも、そんな人って身近にいるのか?)また晴れた日の外など、車の状態が良く見える所で確認してください。
車種は大きく以下に分かれます。
- パンダ45(FF。MTのみ。最も古くタマ数が少ない。4×4は超希少車)
- パンダ1000(FF[MTまたはAT]または4×4[MTのみ]。キャブまたはインジェクション)
- パンダ1100(FF[MTまたはAT]または4×4[MTのみ]。インジェクションのみ)
- パンダ並行輸入車(99年以降。FF[MTのみ?]または4×4[MTのみ]。色々ある。)
比較的走行距離が少ないのは1100、並行輸入車です。一般に並行輸入車の方が走行距離が少ないですが、パーツが年式、輸入元により異なるため、部品の調達が面倒です。
ミッションはATまたはMTがあります。ATはCVT(富士重工製)ですが、システムとしての完成度が低いです。電磁クラッチとCVT本体の修理は費用のかかる一式交換が基本ですので、修理のしやすいMTがベストです。(・・・うちは嫁が反対してATですけどね。実はこういうオーナーは結構多い。)
パンダのメンテナンスにかかる費用は
10〜20円/km 程度
です。この費用はオーナーのメンテナンスで大きく変わります。
この判断基準となるのが走行距離と修理記録です。修理記録がない場合は現車確認が非常に大きなウェイトを占めます。なお部品交換で特に重要となる部品は以下です。(実際は個体の状態により異なります。)
区分 小分類 重要度 参考用部品費 円 交換距離km/回 エンジン タペットカバーパッキン ○ 1,200 60,000
ベルト類 ◎ 3,000 40,000 エンジンマウント ○ 15,800 50,000 タイミングベルト ◎ 8,000 40,000 バキュームホース ◎ 4,500
60,000
駆動 ブーツ ◎ 14,300 25,000 ハブベアリング △ 27,000 60,000 冷却 ホース △ 23,000 70,000 ウォーターポンプ △ 20,000 80,000 電気 オルタネーター △ 52,000 60,000 点火系 ○ 10,900 55,000 排気 マフラー ◎ 40,900 35,000 集計値 216,100
- 部品費は参考です。実際とは異なることがあります。
- 重要度(走行距離、年数により変わります。) ◎:とても重要、○:まあ重要、△:そうすぐには壊れないはず
- 集計値(円) ◎:70,700、○:27,900、△:122,000
- タペットカバーパッキン、タイミングベルトは1000、1100などのSOHCエンジンで使用します。
購入時の部品交換はピンキリですが、上記の部品一式を交換する場合、費用はトータル:\400,000円程度です。(作業費込みの場合、大体部品費の2倍〜3倍ぐらいです。)また消耗品(オイル(ミッション系、CVTFを含む)、LLC、バッテリ、ブレーキ液などのいわゆる油脂類)の交換が別途必要です。消耗品の交換頻度はそれぞれ以下の寿命を左右します。
交換部品にしろ消耗品にしろ、乗り始めは可能な限り交換をしましょう。この時の大掛かりな部品交換を「初期化」といいますが、これに関しては「お金をけちるべきではない」と思います。なぜならいずれ部品交換は必要であり、これをけちると購入後に修理工場に持ち込む機会が大幅に増え、修理をするためにパンダに乗っているのか、パンダを乗るために修理をしているのか分からなくなるからです。しかも買った後はどうしても更にお金をけちってしまって中々部品を交換しないために、気づいた時には手遅れとなり、かえって出費が嵩んでしまうのです。
私のパンダの実際のメンテナンス件数をグラフで示します。このグラフは購入時に初期化をしても、件数は少ないが対象外であった部品の交換が発生した事を示しています。つまり初期化をすればその分後々の部品交換が減ることを示しています。もちろんこれは当たり前の事です。
さてパンダの購入方法は大体以下です。
この中で購入費用が最も安いのは多分オークションなどの個人売買です。ただし購入リスクが最も高く、パンダの購入経験があるとか、車のメンテナンスが苦にならないとか、いわば玄人向けとなります。ディーラーや専門店は購入費用が割高になることもありますが、後々のメンテナンスを考えると確実な購入方法です。ただし、購入店についての情報は可能限り集めておく必要があります。(中古車屋、特に輸入車なんて尚更です。)購入先とメンテナンス先が一緒なのが一番いいのですが、なかなか難しいです。(私の場合、ネットでビビリながら購入しました。)
とはいえ、お金がかかるのを気にしなければ、何でもできるんですよね。
今までのトラブルを基に、現車確認時のポイントについて気がついた点を記載します。気にしたらきりがないのですが、参考までに。
項目 | 確認部位 | 確認ポイント | 確認タイミング | 確認目的 | 備考 |
エンジン | |||||
ドライブベルト | 音 | 始動時 | ベルト、ウォーターポンプなど回転系の寿命 | ||
タペットカバーパッキン | オイル滲み。汚れ。 | 始動前 | わからない場合も | ||
エンジンマウント | マウントの経たり | 始動前 | エンジンマウントの寿命 | エンジン内 | |
エンジンブレーキでの揺れ | 運転時 | エンジンマウントの寿命 | わからない場合も | ||
ホースなどゴム製部品類 | 見た目 | 始動前 | 部品の破れ | きりがないので、わからない場合が多い。 | |
マフラー出口 | オイルの付着 | 始動前 | オイル上がり、オイル下がり | ||
冷却系 | |||||
ヒーターバルブ | 臭い | アイドリング終了後 | バルブの破損 | 室内で確認 | |
ヒーターの効き | アイドリング終了後 | 室内で確認 | |||
ヒーターコア | 臭い | アイドリング終了後 | ヒーターコアの破れ | 室内で確認 | |
排気管の汚れ | 始動前 | ヒーターコアの破れ | 下からのぞき込む | ||
ラジエーター | 臭い | アイドリング終了後 | ラジエーターの破れ | 室内、エンジン内 | |
色(錆色の物がリザーバータンクに浮いているか) | 始動前 | ガスケットの破損 | リザーバータンク内を見る | ||
メクラ蓋 | 冷却水漏れ | 始動前 | メクラ蓋の腐食 | エンジン内 | |
足回り | |||||
アウターブーツ | 破れ | 始動前 | ブーツの破損 | 下からのぞき込む | |
インナーブーツ | 破れ、オイルにじみ | 始動前 | ブーツの破損 | 下からのぞき込む。MT。 | |
ハブベアリング | 「ゴー」という異音。 | コーナーリング時 | ハブベアリングの破損 | ||
制動系 | |||||
ブレーキペダル | 踏み具合 | 運転時 | マスターバック破損 | 室内で確認。年式による | |
アイドリング異常 | 運転時 | マスターバック破損 | |||
マスターシリンダー | ブレーキフルードの滲み | ブレーキシリンダー破損 | |||
排気系 | |||||
マフラー | 音 | 運転時 | マフラー破損 | ||
トルク低下 | 運転時 | ||||
見た目 | 始動前 | マフラーの錆、破損 | 溶接付けの辺りが良く錆ます。 | ||
電気系 | |||||
オルタネーター | 擦れたような音 | 始動時及び運転時 | |||
センサー類 | エンジンの駆動状態 | 運転時 | センサーの正常動作 | わからない場合が多い。 | |
ドア | |||||
パワーウインドウ | 上下具合 | 冷間時〜 | レギュレータ破損 | 車種による。 | |
キーシリンダー | かけ具合 | 始動前 | キーシリンダー破損 | ||
可能ならキーレス化をお奨めします。 | 車種による。 |
※記載内容は購入時の保証をするものではありません。ご注意ください。
※ちなみに記載内容でおかしいところがありましたら、ぜひご連絡ください。