パンダって壊れるの?・・・というか、イタ車って壊れない?
はい、壊れます。
まずヨーロッパ車は全般に「部品が消耗し易い」傾向にあります。そのため、車両の定期的なチェックが欠かせません。これをさぼると気がついた時にはレッカー移動となったりまします。そのせいか、レッカー移動となる車は欧州車(ベンツ、BMW、アウディなどです。)が多いです。
これに比較して国産車は部品の交換サイクルが長いです。しかし10万キロも近づけば、ブーツだって破れますし、オイル漏れだって起こします。スターターだって壊れますし、オルタネーターだって壊れます。もちろん、これが乗り方次第で変わるのはいうまでもありません。
パンダは「部品が消耗し易い」傾向にあり、特にゴムや樹脂製の部品、電気品の寿命が短いようです。部品は確実に消耗しますので、乗りっぱなしにしない予防メンテが必要です。「機械は壊れるのが当たり前」と考えるべきです。パンダのメンテナンスについての情報はインターネット、本など(パンダの飼い方、ヘインズのマニュアル 、 オーナーズバイブル 、エンスーCARガイド、エンスーCARガイドその2など)で可能な限り集めて把握しておくといいです。
とはいえ、パンダが「壊れる」ポイントは以下のようにある程度限定されます。(サンルーフ付セレクタ、インジェクションモデル)
区分 良く交換する部品
実際に交換した部品
部品名 エンジン △ ○○ タイミングベルト △ ○●● タペットカバーパッキン ○ シリンダーヘッドガスケットなどエンジン関係 △ ● エンジンマウント ○ ゴム類 ● バキュームホース ● フューエルライン ● フューエルホース ● キャニスターワンウェイバルブ ● フューエルセンダーユニット(レベル計) 駆動 △ ○ ドライブシャフトブーツ △ ダンパー ○ ブッシュ類 ◎ 電磁クラッチ ◎ CVTトランスミッション ● CVTFクーラーホース ◎ セレクタスイッチ 冷却 ○ ○ ウォーターポンプ ○ ラジエーターホース ○ ● ラジエーター ○ ● ラジエーターファン ○ ●●● ヒーターコック ○ ● ヒーターコア 電気 ○ ○ 点火コイル(点火トランスとイグナイター) △ オルタネーター 制動 △ ● マスターバック、ブレーキマスターシリンダー ●● リアブレーキシリンダー 排気 ◎ ○ マフラー その他 ◎ サンルーフ
上記のうち△部は国産車でも交換する可能性が高い部品ですが、国産車と比較して消耗が早いです。○はパンダで良く交換される部品です。◎のマフラーやサンルーフはパンダ特有の交換部品といえます。この◎の内の電磁クラッチやCVTトランスミッション(富士重工製)はセレクタ特有の交換部品です。これらはアッセンブリ交換となることが多く、故障時は多大な出費となります。CVTで使用するスチールベルトは10万kmの耐久性があるといわれる部品ですが、電磁クラッチは耐久性に劣り、7万〜8万kmで壊れることがあるようです。
実際に交換した部品について別途○と●をつけています(○は納車時に予防交換した部品。●は納車後に交換した部品。)。順調に交換しているといえますが、どうなんでしょう?(ちょっと不安)
なおオイル(15W-40)、オイルフィルター、LLC、CVTF、バッテリー、ブレーキフルード、ブレーキパッド、タイヤなどは交換必須部品類なので、除外しています。因みに15W-40のオイルは余り売られていないです。パンダは固めのオイルがいいといわれていますが、10W-40でも問題はないようです。ただし、オイルは鉱物油または半合成油がいいみたいです。(化学合成油はオイル漏れを起こしやすいので銘柄には注意が必要です。)
トラブルのシグナルと発生の実際
今まで発生したトラブルは駆動系、冷却系、制動系でした。それぞれ今までトラブルがありましたが、すぐに車が動かなくなるということはありませんでした。部位により異なりますが、必ず何らかのシグナルがあり、気づいてから対処をすることができました。ただし、ホースに関するトラブルは極めて短期間で大トラブルに至る可能性があるので、注意が必要と思われます。実際の記録を以下に記載します。
交換履歴の概要
概算走行距離km
中分類 小分類 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 エンジン タイミングベルト ○
○ タペットカバーパッキン ○ ○ バキュームホース ○ フューエルフィルター ○ フューエルポンプ ○ ベルト類 ○ マウント ○ 燃料ライン ○ 駆動 ブーツ ○ ミッションオイルホース ○ 電気 プラグ ○ ○ 端子 ○ 点火コイル ○ 排気 マフラー ○ 冷却 ウォーターポンプ ○ ヒーターコア ○ ヒーターコック ○ ○ ラジエーター ○ ラジエーターファンスイッチ ○ ラジエーターファン ○ エンジン系(フューエルホース他、破損)
エンジン系 イベント 時期 距離 km 備考 運転時にガソリン臭 2010/8/20 68,010 室内でガソリン臭がするようになる。 フューエルポンプ周りでガソリンを確認した。 ホース類交換 2010/9/25 68,010 運転時にガソリン臭 4月ぐらいからかな? センダユニット交換 2011/8/7 70,402 経過 352日 2,392 エンジン系(バキュームホース破損)
イベント 時期 距離 km 備考 燃費低下 2010/2/20 63,729 今にして思えば、始動時にハンチングが起きていたような気が・・・ エアフィルター交換 2010/3/5 64,015 改善みられず。 排気異常の確認 2010/7/9 66,208 カーボンの生成による不完全燃焼の確認。 ホースの交換 2010/7/31 66,666 交換後、500km走行し効果を確認した。 経過 161日 2,937 駆動系(CVTFクーラーホース破損)
イベント 時期 距離 km 備考 CVTF漏れの確認 2008/1/4 38,547 ホース破損の確認 2008/2/17 38,880 ホースの交換 2008/3/1 38,908 経過(日数/距離) 57日 361 冷却系(ヒーターコック→ヒーターコア→ラジエーターと破損)
イベント 時期 距離 km 備考 甘い匂いの確認 2007/7/16 35,700 今にして思えば何となく・・・ ヒーターコック交換 2007/10/25 37,140 LLC減少 2008/12/27 48,735 ヒーターコア交換 2009/1/31 48,915 ヒーターコア交換後は甘い匂いなし LLC漏れの確認 2010/3/12 64,147 ラジエーター交換 2010/4/10 64,304 経過(日数/距離) 999日 28,604 制動系
イベント 時期 距離 km 備考 ブレーキ踏み異常 2008/8/24 44,950 ブレーキを踏むとアイドリングが安定しない。ブレーキが重い。 マスターバック交換 2008/10/25 47,185 経過(日数/距離) 62日 2,235
トラブルだけどどうにかなるトラブルの例
トラブルだけどどうにかなるトラブル、警告用センサーのトラブルがその代表です。パンダには色々なセンサーがあります。そしてこれらのセンサーは良く壊れます。O2センサーなど制御用センサーは壊れるとどうしようもありませんが、警告用センサーは警告をするだけでインターロックを行わないのがほとんどです。壊れてもどうにか車の運転はできます。
- 排気温度警告センサー(接触不良でも点灯することがある)
- セレクタレバースイッチ用警告センサー(良くピロピロと鳴く)
- 水温センサー
- 燃料タンク用レベルセンサー(フロート)