【健康茶として使われる薬草】


テレビや雑誌で話題になる何にでも効くという薬草茶、ほぼ1週間毎に入れ替わり紹介される、二重盲検法などとは無縁の実験結果に、人気の芸能人やアナウンサーが感心したり驚いたり、どこの研究者か、ヒモ付き学者かの検証もなく垂れ流される健康情報に1週間単位で、健康茶や健康法を試みる。「衣食足りて礼節を知り、衣食余って分別を失う」まさに平和な今日この頃です。

薬草はじめ食や、健康法には一定の効果(心理的効果も..)があるのかも知れません。しかし、あるからといって、それを拡大解釈し、何にでも効く、これさえ服んでおれば、永遠に生き続けられる、と言うような錯覚を与えてはならない、さらに効果が見られないとして、分量を過剰なまでに増やしたり、迷いつつも延々と続けて、取り返しのつかない結果にならぬよう注意してください。

また、薬草茶の価格も考慮しなければいけません。「ピンからキリまであって、ウチのは本物で、超高級だ」というものほど高価です。ティーバッグに入れたり、桐箱に入れたり、金ラベルを貼ったり、宣伝広告をするから高価な訳で、品質が超高級なのか、包装が超高級なのかわかりません。健康茶として比較的控え目な利用法を記しています。

品 名

 効 能 ・ 効 果

分 量

アシタバ 便通・利尿作用、カロチンやミネラルなどの滋養成分
が豊富 に含有される、苦味質・精油成分により胃腸
の新陳代謝が良くなる
5〜10g
エゾウコギ
(五加参)
心臓冠動脈を拡張し血流を良くする、鎮静、血圧降下
作用・強壮・性機能亢進作用
3〜5g
オオバコ
(車前草)
鎮咳・去痰・利尿作用、喘息、腎炎の浮腫 10〜15g
柿の葉 VitCが豊富、風邪、動脈硬化、高血圧の予防 10〜15g
カキドウシ
(連銭草)
疳の虫、糖尿病、尿路結石、利尿剤、肝臓の解毒剤
として用いられる
10〜20g
菊花 末梢血管拡張、血管運動中枢を抑制することで血圧
降下作用、肝腎機能不足による眩暈、ふらつき、
頭痛、目の充血、視力回復
5〜8g
キササゲ 利尿作用があり腎臓病の浮腫、脚気の浮腫、
外用/腫れ物の膿の吸出し
10〜20g
ギムネマ 腸壁からの糖分の吸収を抑制、肥満、糖尿病、
アユルヴェーダの薬草で、服用後、甘みと苦味
を感じなくなる
5〜10g
銀杏葉
(イチョウ)
ドイツで有名、末梢血管拡張作用、脳動脈の血流
改善、冠動脈拡張、狭心症、痴呆の予防
5〜10g
グアバ
(蕃果)
インシュリン様作用物質、糖尿病、胃腸薬、下痢
止め
10〜15g
枸杞実
(枸杞子)
抗脂肝、肝保護、血圧降下、血糖降下、滋養強壮、
視力減退
5〜10g
クマザサ 胃潰瘍、口内炎、口臭、糖尿病、高血圧、
アレルギー疾患の体質改善
10〜15g
クワ葉 解熱、抗炎症、抗菌作用、咳止め、風邪、
脳卒中、蕁麻疹
10〜15g
決明子
(ハブ茶)
軽度の便秘、整腸、肝腎の保護、視力減退、
目の充血、緩和な血圧降下作用、口臭予防
10〜15g
コンフリー ゲルマニウム、VitB12含有、胃潰瘍、貧血、根から
発癌物質が確認されているので
要注意!
5〜10g
紫蘇葉 魚貝類の食あたり、嘔吐、悪心、胃腸病、咳止め、
つわり、ストレス、初期の風邪
10〜20g
スギナ 利尿、降圧、膀胱炎、浮腫、咳止め、鼻血、下血
長く煎じない、沸騰したらすぐに火を止める
10〜15g
タンポポ
(蒲公英根)
コーヒーの代用品、健胃、緩下作用、消化不良、
胃炎、母乳分泌促進、抗菌、消炎、解毒作用もある
豊富な栄養
5〜10g
甜茶 アレルギー性鼻炎、花粉症 10〜15g
杜仲 補肝腎による強壮、強筋骨、安胎、高血圧、神経痛
、腰痛、葉より樹皮の方が効果的
8〜10g
枇杷葉 利尿、鎮咳、去痰、口内炎、歯肉炎の疼痛や出血、
胃炎、夏バテ、疲労回復、種子は癌に応用される
10〜15g
プーアル茶 血液中のコレステロール、中性脂肪を低下させる
明確な生理作用は不明、食欲増進、脂肪代謝促進
5〜10g
マタタビ
(木天蓼)
体を暖める、健胃、強壮、強精、腰痛、神経痛、疲労
回復、一般に薬用酒として用いる
(200gをホワイトリカー1.8Lに)
8〜10g
松葉 高血圧、脳卒中の予防、喫煙により吸収された
ニコチンの排出
10〜15g
目薬の木 肝機能障害に伴うかすみ目、眼精疲労、目の痛み 10〜15g
モモの葉 鎮咳作用/外用、皮膚のトラブル、あせも、湿疹、
かぶれ
20〜30g
ヨモギ
(艾葉)
胃腸病、止血作用、冷えからくる生理痛や腹痛、
喘息
10〜15g
羅布麻茶 高血圧による、目まい、頭痛、不眠、動悸、耳鳴り、
抗脂肪、鎮咳、去痰作用、喘息、風邪の予防、鎮静、
精神安定、免疫機能の向上
8〜10g
ルイボスティ 活性酸素消去作用、抗酸化作用をもつフラボノイド
を含有、炎症や細胞老化防止に応用、美容
8〜10g
霊芝 高血圧、動脈硬化、強壮作用、肝保護作用、癌にも
応用される
5〜10g
ローズヒップ VitC豊富、軽度の下痢や胃炎、美肌 5〜8g

緑茶は決して煎じたりしません。植物の葉にはタンニンが多く含まれ、その収斂性により植物の成分が流出するのを防ぎます。動物に例えるなら血小板みたいなものです。煎じると、この成分が抽出され渋みが強くなりお茶の味が損なわれます。薬草茶には緑茶ほど繊細なものはありませんが葉や花は、熱湯を注ぎ5分ほど蒸らし、飲めるほどの温度になるまで浸出してから飲みます。薬草茶をまとめて作るときは、煎じたほうが便利です。その時は水のうちから薬草を入れておいて3〜5分煎じるか、沸騰した時点で火を止め(特にスギナは加熱により有効成分が分解しやすい)、しばらく蒸らしその後、茶漉しやガーゼで滓を取り除きます。

木の皮や根茎の薬草茶は葉、花ほど簡単に抽出されないので20〜30分煎じます。実や種子はさらに抽出され難いので、前日から水に漬けて置いてから煎じます。または焙じて煎じても抽出効率がよくなります。味がまずい、飲み難いと思われるかたは、他の飲みやすい薬草茶をブレンドしたり、フライパンなどで焙じたあと抽出すると、味もまろやかで香ばしく飲みやすくなります。よく薬草を「混ぜるのは構いませんか?」と質問をうけますが、「それは構いません。」しかし多種類の薬草を少しづつ配合しても、それだけの薬効が機能するわけではありません。薬効を期待する場合は、単独又はせいぜい数種を配合し分量も大量に使います。>>薬草の煎じ方

 

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