管理人が惚れ込む
チカッパ美味い!
味紀行
2007
|
|
2007年12月号
目利きが冴える納得の刺身
福岡 警固 炭焼市場 膳五郎 |
|
しまあじ、ひらまさ、鱸、〆鯖、昆布〆鮃、これは盛り合わせのお皿ですが、他にもいろいろございます!
看板は炭焼市場で、活き魚を専門に扱っているお店ではありませんが、ここのお刺身からは、「どうせ売るならホンモノをキチッと売りたい」という意気込と大将の目利きの高さが伝わってきます。日替わりの黒板メニューにある10種類前後のお刺身は、どれを食べてもそれ本来の味わいがしっかりしています。そして必ずいくつかには昆布〆、酢〆、炙りと食材のうま味を引き立てる「仕事」が施されていて、毎回飽きることがありません。ちょっと厚めの引き具合も美味しさが増す要因かもしれません。
看板の炭焼きも焼き加減絶妙、ボリュームたっぷりでお酒がすすみます。揚げ物、鉄板物の一品料理にはアツアツのモヤシ炒め添えてあったり、一皿で2度美味しい楽しみもあります。もちろんお値段はリーズナブルな居酒屋価格。トータルで満足させてくれる良心的なお店です。
炭焼市場 膳五郎
福岡市中央区警固3−1−1
п@092−724−3800
定休日 不定 (月に1回程度 主に月曜日か日曜日) |
|
2007年11月号
元気が出る水割り!!
接客名人の美人ママ!某町某所の小さなスナック |
|
別に悩みが多いわけでもなく憂さを晴らすのでもなく
ここ数年、夜な夜な週3はここに座っています。
「スナック通い」、中年のオヤジには珍しくもない、ごくありふれた生活ルーティンで、お気に入りの止まり木は誰にとっても特別な場所と感じるのも当たり前なのでしょうけど、私にとってはここが特別な場所になってしまいました。
正直言って、お酒を飲むとき私はスナックという場所があまり好きではありません。カラオケが騒がしかったり、スタッフとの会話も猥談・血液型・スポーツ・ギャンブルと、ほぼ相場が決まっていて退屈だったりで。
だから静かなバーで飲むのが常でした。
ふとしたきっかけで知り合ったこのお店は客さん筋がとても良くて、隣合った客同士をママの気遣いで上手に取り持ってくれるので、異業種の人々と幅広く情報交換ができる社交場として、基本的には遊んでいるのですが、間違いなく仕事上の元気と糧を貰えるのです。そして、ママもスタッフも罪を作るようなお色気を決して売らないのが長く付き合える要因かも。ちなみに、うちの先代と相棒の高野シェフからも、「この店に通っていれば安心」とお墨付きをもらっています。すごいでしょっ!
ママが好むお客さんは、仕事熱心でお酒が強くて、威張ってなくて、爽やかにHな人・・・我こそは!とご希望の方はご紹介いたしますよ。 |
|
|
2007年7月号
山笠のメッカで玄ちゃん鯵
博多 冷泉 HAKATA 伊nokura(イタリアン) |
|
お櫛田様の正門前からT字の角を入った、博多の旧町並みが残る界隈、周囲の佇まいに溶け込むような古風な黒塗りの木扉をくぐると、初めての人なら一瞬、「あっ!店ば間違えたかいな?」というくらい、和風造りのイタリアンです。
お料理の器も殆ど和陶器でお箸が用意されています。
この場所でこの雰囲気は、博多の新鮮な海の幸を気取らずに落ち着いて楽しめるようにという、親切で庶民的なオーナーシェフの高橋さんとマダムの人柄あってのことなのでしょう。
お勧めアラカルトの中でもひと際印象に残ったのは、「玄ちゃん鯵のカルパッチョ」。
野菜たっぷりと白髪葱のサラダ仕立てで、キリッと程よい酸味が利いたドレッシングが、身が引き締まって油がのった鯵のうま味を見事に引き立てています。
玄海灘で一本釣りされた、サイズ26センチ以上、高い鮮度を保つために、漁師さんですら針から外す時に手を触れない。こんな厳しい条件をクリアした別名「料理人以外は触ってはいけない鯵」
この場所で、この季節、「不浄の者立ち入るべからず」の山のぼせをチョッと彷彿させるようで、お酒もすすむのでありました。
Hakata伊noKura
福岡市博多区冷泉町6-2 092-282-6200
休 日曜・祝日 12:00〜14:00 18:00〜22:00(Lo) |
紅蓉軒トップへ戻る |
2007年6月号
マリア・カラス!子羊とフォアグラのパイ包み焼き
福岡 大手門 ジョルジュマルソー |
|
子羊とフォアグラ・・焼き加減が見える普通のソテーでも火の通し方に技術を要するこのふたつの食材を、パイ包みの形でパーフェクトに仕上げるのは、まさにシェフの勘と経験がモノを言うのだそうです。 パイに封じ込められた食材のうま味を最大限に活かすソースは、フォンドボー(たぶん?)と赤ワインベースで、散りばめられたトリュフがコクと香りを深めます。さらに添えられた焼き林檎(手前)の酸味が料理全体の調和を高めて、うまいのなんの!
この料理、永遠の歌姫 マリア・カラスが好んで食べていたことから、シェフや食通の間では「マリア・カラス」と呼ぶのだそうです。(マダム談)
その激しい気性ゆえメス虎の異名をとった彼女も、これを口にした時だけは子羊のようになったことでしょうね。
警固のビストロ「炎(えん)」が前身の本格フレンチ。
「お腹いっぱいなりました?」「気を遣わずにゆっくり食事してくださいね!」ビストロ時代に知り合ったオーナーシェフ小西晃司氏のこんな温かくユーモラスな人柄で、高級店だけれど安心して寛げる素敵なお店です。
6月10、桜坂にオープンのパティスリーも楽しみです。
ジョルジュマルソー
福岡市中央区大手門1-1-27
オーテモンウェルリバーテラス1F
詳しくはHPを→http://gm.9syoku.com/index.html |
|
2007年5月号
沖縄産特級豚 アグーの味わい
福岡 春吉 葡萄房 |
アグー豚の香草グリル |
地元春吉に2006年秋にオープンした、イタリアン葡萄房(ぶどうぼう)の逸品です。
幻の豚だから・・希少価値が高いから・・美味しいのではなく、真心込めて飼育された血統種の豚肉が真心込めて料理されているから美味しいのだと思います。
お肉の甘味や脂のうま味、柔かい食感を最大限に引き出す工夫で、パパイヤとパインの酵素を含むパパイン塩という塩を使ってあるそうです。それに、お肉本来の風味を損なわないように程よく使われる香草やソースの加減もグッドです。
コンフィやイタリアハムの盛り合わせなど、お酒に合うお料理もおすすめです。
上品でシックな内装の店内には、イタリアンならではの気取らない賑わいと活気が溢れていて、居心地も満点。
葡萄房
【営業時間】午後6時〜翌午前2時(日曜は同0時まで)、月曜定休
【住所】中央区春吉3-24-4
【電話】711・6660 |
|
2007年4月号
流氷の置き土産 毛蟹をむさぼる
福岡 六本松 居酒屋 じゃじゃ馬 |
|
2回目のじゃじゃ馬です!(1回目はバックナンバーで)
3月の毛蟹がこんなに美味しい事を始めて知りました。
毛蟹は北海道で一年中獲れるのですが、オホーツクの流氷が去っていくこの季節の毛蟹は、肉の甘味とミソの味わいが最高なんだそうです。
先ずは甲羅に詰まったミソをすくい取って感動、次にビッシリ詰まった足肉をすき取って満悦、そしてちょっとほぐしにくい肩肉を丹念に外して、ミソが残った甲羅の中でミソあえにして恍惚、締めくくりに空の甲羅をヌル燗のお酒で洗って飲み干せば、気絶しそうなエクスタスィーが全身を駆け巡ります。
で、気になるお値段・・・
大将曰く、「違いがわかる人だけに食べてほしいけん、あんまり言いふらさんでよかよ」とのことなので、ここではそれほど高くないとだけ申しておきましょう・・・・・
この味わいの時期はあとわずか。違いが分かる諸氏は是非お早めに!!
毛蟹の次は唐津の黒雲丹、大羽鰯、オコゼと旬目白押しのじゃじゃ馬です。
居酒屋 じゃじゃ馬 092-761-3068
福岡市中央区六本松3-8-15-1F(六本松信号から30メートル南)
|
|