Muscle Novel - The Supermen Olympic 3rd #30
キン肉マン21
第3回超人オリンピック編
第10話 爆炸! エアリアル・アタック!!の巻

第3回超人オリンピック1回戦第4試合、ブロッケンJr.VSゾナーマンは象南波羅を完全攻略したブロッケンの勝利に終わった。友情に飢えていたゾナーマンはかつての友・ジムナスマンの誘いでザ・サイキョー超人軍団入りをする。

『さあ、リングの修理が終わったBリングではようやく試合が始まろうとしています。前回大会でも出場したペンタゴンとザ・サイキョー超人軍団の最後の砦、ギャラクティカの対戦です…』

賢明な読者諸君ならもうお気づきだろう。これから戦うこの2人には共通点がある。それは…

「首領から聞いたが…おめえはウォーズマンに負けたことがある超人らしいな。だったら、この試合はここでおしまいだ。ケガしねぇうちにとっとと帰るんだな。」

「その言い方は聞き捨てならんな。お前もウォーズマンに敗れた身だろう。わたしが先のシリーズを観戦してないと思っていたのか。」

そう…ペンタゴンは第2回超人オリンピックで、ギャラクティカは正義超人VSザ・サイキョー超人シリーズでウォーズマンと激闘を演じた末に敗れた者同士なのだ。

「オレをこの前までのオレだと思っていたのか、このコンペイトウ野郎。ウォーズマンとの再戦に向けて、天才のこのオレが血ヘドを吐くような特訓を積んだのだ。ウォーズマンならいざ知らず、ヤツより弱いおめえなど準備体操にもならねえぜ。」

「カカカカ、このわたしをウォーズマンと同じだと思っては痛い目を見るぞ…」

毒舌合戦は取り敢えず互角のようだ。そして試合が始まった。


カーン!

「クインテット・エクレール!!」

ゴングと同時に仕掛けたのはギャラクティカだ。一瞬にして彼の左腕から5発のパンチが繰り出される。そのあまりものスピードによる空気の摩擦からだろうか…パンチは雷のような火花を帯びていた。だが…

「ハッハッハッハ! なかなか凄いパンチだが、当たらなければ…意味がない!!」

「ぐわっ!」

ペンタゴンは紙一重で空中に舞い上がり、ギャラクティカのパンチをかわしていた。そしてギャラクティカが呆然としているところをペンタゴン得意のミサイルキックが襲った。

「こうして空中にいてヒット&アウェイを繰り返していればお前のパンチなど恐るるに足らず! サイキョー超人だか何だか知らんが、このペンタゴンをなめるな!」

「なめるな…だと… くらえ、マグナード・ファントム!!」

ギャラクティカのパンチから大火球が放たれた。2億4千万パワーを誇る、ギャラクティカ最大最強の必殺技マグナード・ファントムだ!

「くっ、いきなりで危なかった…こればっかりは空中にいても油断ならないからな。しかし、言っただろう。当たらなければ意味がないとな! しかもそんな大振りのパンチなど、一旦かわされてしまえば…おしまいだ! とくと味わえ、このペンタゴンの大空中殺法を!!」

「ぐっ、がっ!」

ペンタゴンの空中からのミサイルキックがまたも決まった。そして、返す刀でもう一発…飛び上がり様のサマーソルトキックだ!


そんなギャラクティカの様子を心配そうに見ているのは、現在の盟友、ザ・サイキョー超人軍団のワイルド・ジョーカー、そしてジムナスマンだ。

「…ジョーカー、ショータローを医務室に運んできたよ。でも、どうやら…」

「まずいですよ…ギャラクティカは…」

「うん…そうだね、完全に冷静さを欠いているよ。でも…どうしてだい、ジョーカー? いつもならこんな相手は楽勝のはず。」

「その通り。しかしギャラクティカはサイキョー超人軍団の中でも一、二を争う戦闘能力を持つ一方…闘争感情も強い超人です。彼はウォーズマンと戦えなかった怒りをただペンタゴンにぶつけているにすぎません。これでは折角のパワーが空回りする一方です。逆にペンタゴンはギャラクティカを研究し尽くした上で実に合理的なファイトをしています。」

「なるほど。」

「果たして…それだけかな。」

「その声は!?」

二人が振り向くと、そこにはスーツ姿にソルジャーマスクを被った男がいた。言わずと知れたキン肉アタルの姿だ。かつて、ザ・サイキョー超人軍団を一手に束ねた男でもある。

「首領、どういうことなのですか。」

「ジョーカー、お前でも分からぬか。その答えは…あの男が握っている。」

アタルが指す先には、既に2回戦進出を決めているネプチューンマンの姿があった。くどいようだが、ギャラクティカはサイキョー超人軍団に入る前、完璧超人軍団にいた過去があったのだ。その当時何かの因縁があったらしく、ギャラクティカはこの大会にネプチューンマンが参加していると知った時から様子がおかしかった。このままギャラクティカがペンタゴンを破れれば次の試合でネプチューンマンと戦うことになるのだが…


『あーっと! ペンタゴン、キックの速射砲だーっ! ギャラクティカ、その間隙をぬってパンチを繰り出しますが…ペンタゴン、軽やかにかわしていきます。』

ペンタゴンの息をつかせぬ連続攻撃の前に、タフネスさを誇るギャラクティカもさすがに疲れがありありと出てきた。ペンタゴンは空中で一回転するとギャラクティカと十分に距離をおいて着地した。焦燥と余裕…今の二人を象徴する言葉はこれしかないだろう。

「まったく、まだ倒れないのか。そのスタミナには感心を通り越して呆れたよ。」

「ぬかせ…ハァ、ハァ…言っておくが、てめえの軽い攻撃なんざ何十発、何百発食らおうが効きやしないぜ。」

「確かにそうかもしれん。しかし、これを食らった後でもそう言えるかな。」

ペンタゴンはまたもギャラクティカの頭上をひらりと飛び越えた。空を切るギャラクティカのパンチ。そのまま後ろをとったペンタゴンは、ギャラクティカを羽交い締めにした。そして持ち前の跳躍力と翼を使い、ペンタゴンはギャラクティカと共に空中に舞い上がった。

「貴様、放せ…!」

「そう急かさずとも放してやる。ただしキャンバスに叩きつけてだがな。くらえ、エアリアル・アタック!!」

ペンタゴンは急降下するとギャラクティカの脳天をキャンバスに突き刺し、自身はスレスレの低空飛行で逃げ去った。その姿はさながら、爆撃機のようである。そして技の威力も…

『あーっと、ペンタゴンのエアリアル・アタック大炸裂だーっ! 一旦体の自由を奪われ、そのまま受け身もできないまま猛スピードでキャンバスに叩きつけられるのであってはさしものギャラクティカもひとたまりもないでしょう。これは勝負あったかーっ!?』

ギャラクティカの頭から染み出るように血がキャンバスに広がっていく。

「なるほど…熱さに我を忘れたファイトか…あの頃と全く進歩がない。どうやらわたしの2回戦の相手はペンタゴンになるようだな。」

「…誰だ…」

ギャラクティカが顔を上げると、既に2回戦進出を決めているネプチューンマンがリングサイドに立っていた。

「首領…」

「今の相手はわたしか? もしそうなら…お前は戦わずしてわたしに負けることになる。」

「ハッ…」

『セブーン、エーイト、ナイーン…あ、あーっと、ギャラクティカかろうじて立ち上がりましたーっ!』

「フフ…この死にぞこないめ。他に貴様のパンチで怖いのはシューティング・スター・フィストだけだが、それもワイルド・ジョーカーの助けがなければ撃てないことは研究済みだ。」

「…………」

「どうした? もう貴様には何も残ってはいまい。それとも何かあるのなら遠慮なく打ってきてもいいんだぞ。」

これはどう見ても挑発に他ならない。しかし、迂闊なパンチは打てない。ギャラクティカに余計なパワーを使わせ、より自身の勝利を確実にするペンタゴンの作戦なのだ。

「ケッ…仕方ねえな。これは首領と戦う時のとっておきだったが、ここで負けてしまっては元も子もねえ。お望み通り打ってやるからありがたく受けな!」

「スパイラル・ジェット!」

『あーっと、ギャラクティカのパンチから大竜巻が吹きあれたーっ!』

「うあああーっ!」

他のパンチならいざ知らず、ペンタゴンにとってこの攻撃は致命的だ。最大の武器である翼が風を余すところなく受けてしまい、最大の弱点に成り下がってしまうからだ。

「ぐ、うう…」

うずくまるペンタゴン。この一発で戦況は完全に逆転してしまった。

「さあ、かかってきな。」

打って変わって冷静になるギャラクティカ。

「このーっ!」

突っ込むペンタゴン。完全に我を失った攻撃をギャラクティカが避けるのは造作もなかった。ジャンピングキックをダッキングでかわすと…

「そら、もう一発いくぜ! スパイラル・ジェットーっ!!」

「ぐああーっ!」

二度にわたる竜巻で、ペンタゴン自慢の羽はすっかりボロボロにむしり取られていた。ギャラクティカは思い切り左腕を振りかぶった。

「そして…冥土のみやげに持って行け! マグナード・ファントムーっ!!」

大火球と共に空の彼方に飛んでいくペンタゴン。冷静さを取り戻したギャラクティカにとっては、ペンタゴンはやはり相手ではなかったようだ。

『あーっと、ギャラクティカあざやかな逆転勝利ーっ! これで2回戦でネプチューンマンと戦うことが決定しましたーっ!』

スタンド席ではサイキョー超人軍団の連中も胸を撫で下ろしていた。

「ふう、ヒヤヒヤさせるよ。」

「まあ、順当なところですね。」

「あ…あれ、ジョーカー…?」

「見てみろジムナス、ジョーカー、あれが因縁が巡る…というやつだ。」

ギャラクティカは選手席に向かわず、わざわざ反対側のリングサイドにいるネプチューンマンの方へ歩いていった。

「てめえ…余計なことをしやがって…」

「何のことだ?」

「とぼけるなよ。オレはあんたの助言がなくてもペンタゴンに勝っていた。あんたのやっていた事はムダだったのさ。」

「それはどうかな。」

ガッ…!

ギャラクティカのブローがネプチューンマンの顔面を捉えた。しかし、ネプチューンマンは倒れない。

「次の試合…ペンタゴンと同じ末路を辿るのはあんただ! 覚悟しておけ!!」

「よかろう…」

ネプチューンマンは口元の血を拭った。

ギャラクティカネプチューンマン、深まる確執…
キン肉マン21
第3回超人オリンピック編
第10話
…/おわり
1回戦全試合終了!?
そして…

巻末言
実家に帰ると家族からいつも雑用
を頼まれる。お陰で自室の整理が
滞り本の山で眠りにつくハメに。

ノベルリストへ第11話へ