NPO慧燈通信

2014(平成26)年 秋号 − 奨学金伝達式報告 −

里子との面談(バーンガート学校)。通訳を介して里子へ励ましの気持ちを伝えます


 タイ・ビルマ方面戦病歿者追悼法要(6月17日) 

 チェンマイ県メーワン郡バーンガート中高校に建立されている「タイ・ビルマ方面戦病歿者追悼之碑」前にて、先の大戦に於ける戦病歿者の追悼法要を行いました。
 この追悼之碑は、「日本兵の遺体が次々に埋められた」と伝えられていた古井戸の上に建立され、その後タイ北部で収集した遺骨も含め約一万八千体のご遺骨が納骨されています。


 



 有馬康則監事の司会進行に則り、在チェンマイ日本国総領事館総領事 藤井昭彦様に御参列頂き、チェンマイ在住日本人有志の方々、バーンガート学校の里子達も集う有意義な式典となりました。



 日本から参加した菅原一晴 副理事長、調 顯量 理事長代理による読経奉献後、ハーモニカの伴奏とともに「ふるさと」を献唱しました。この地に眠る人々が命に代えて守りたいと願った日本に生かされている私たち。先人が愛した「ふるさと」を託され、今の自分が生かされている有難さを思いました。
追悼之碑近くに建立している大梵鐘には、「安らかに」「南無阿弥陀仏」「みほとけの 教へまもりて すくすくと 生い育つべき 子らに幸あれ」という言葉が刻まれています。願いを込めた大梵鐘の鐘の音を合図に黙祷を捧げました。


 バーンガート中高校伝達式(6月17日) 

 バーンガート中高校内で奨学金伝達式を行いました。
日本語を学んでいる学生たちによる
「翼をください」の歌を披露
 
藤井昭彦総領事様から奨学生への激励の言葉を頂き、奨学金も授与して頂きました。

里子達と手遊び「むすんで ひらいて」を楽しみました


「おおきなかぶ」の劇

里親と里子の面談

先の大戦時、日本の兵隊さん達と交流のあった地域のお年寄り達も来て下さいました。当時おぼえた日本の歌を歌ってくださいました。


 


 チェンマイ県伝達式(6月19日) 

 チェンマイ県ドイサケット郡にある「Horizon」の大会議室にてチェンマイ県奨学金伝達式を行いました。

 


 
里子を会場に連れてきた先生方と集合写真

チェンマイ県の里子達

 


 「シーサンワン チェンマイ校」訪問(6月18日) 

 チェンマイ県サンサーイ郡にある肢体障害児学校「シーサンワン チェンマイ校」を訪問し、車椅子支援金支給と4人の里子へ奨学金を支給しました。 
 車椅子でダンスを見せてくれた子供たちも一緒に写真を撮りました。 

 
メーホンソン上空
 


12人乗りのプロペラ機でメーホンソンへ到着
 
 


 メーホンソン県クンユアム戦死者追悼の参拝(6月19日) 

ファイポン村近くに建つ塔と祠でお参り

クンユアム学校へ昼食支援金支給

タイ日友好記念館(クンユアム旧日本軍博物館)
クンユアム学校の日本語講師と学生が案内してくれました。

タイ日友好記念館(クンユアム旧日本軍博物館)前にある「戦友よ安らかに眠れ」の碑にてお参りしました。



 
トーペー寺にて。この僧侶が「自分が写っている。」と下の写真を見せてくれました。

調寛雅初代理事長が追悼の碑をここに建立した当時の写真です。

トーペー寺内にある追悼の碑。トーペー寺には、日本兵の病院がおかれ多くの兵士がここで亡くなったそうです。
メーホンソン県でソロバンを教えていた井原先生やクンユアム学校で日本語を教えていた桑原先生はじめ日本人有志の方々が立てて下さった看板のおかげでこの碑の存在が示せています。

 


 メーホンソン県伝達式(6月20日) 

仏像・国王陛下・タイ国旗に対する奉献

「フォン タイ」というビルマ式の踊り。

タイ国歌・日本国歌斉唱

メーホンソン県1区教育省代表より奨学金制度歓迎の挨拶

NPO慧燈副理事長より挨拶と奨学生への言葉

奨学金授与




奨学生代表によるお礼の挨拶
クンユアム学校で日本語を学ぶ学生が日本語で挨拶しました。

里親代表より里子への言葉

里子達と手遊び。
「今日の日はさようなら」「ふるさと」も歌いました

「大きないも」の劇。想像しやすいいもにアレンジしました。

里子との面談。一年ぶりに再会した里子の成長ぶりに驚く。

メーホンソン県の里子たち。民族衣装の里子もいます。

 
2014年度(平成26年度)の奨学金伝達は、貧しいけれど学習意欲のある学生 計185名へ以下の日程で執り行いました。

  6月17日
   チェンマイ県
    メーワン郡バーンガート中高校生50名

  6月18日
   チェンマイ県 中高校生78名
   
  6月20日
   メーホンソン県 中高校生57名

 
NPO慧燈会員や里親の皆様のご厚情・ご支援を頂き  心より感謝申し上げます。

どうもありがとうございました。




− 編集後記 −

チェンマイ県の教育関係者の方が伝達式会場で挨拶して下さった和訳文をここにご紹介いたします。

 慧燈財団理事の方々、里親の方々、来客の方々、わたくしはチェンマイ県民、奨学生の親の代表としてお礼を申し上げさせて頂きます。
 今日、大事な時間を頂き、チェンマイ県の慧燈財団伝達式に参加して頂き、また、チェンマイの子供たちの勉強のために、大事なお金を奨学金にしてくださり、誠にありがとうございます。心から感謝しております。
 慧燈財団伝達式は毎年行われ、今年で18年目になりました。毎年、たくさんのチェンマイ県の貧しい学生が奨学生に選ばれ、奨学金を頂いています。里親制度奨学金の慧燈財団の活動は、奨学生に奨学金を渡すだけではなく、それぞれの学生に日本人の里親がいらっしゃいます。それで、学生は、日本人の里親と手紙などでやり取りすることができます。これは貴重な機会だと思います。長い期間、手紙をやり取りすることでいい関係ができ、家族のような絆が生まれます。慧燈財団の奨学金支給は高校3年生までですが、高校を卒業しても、家族のように連絡が続いていることもあります。これは、絆の力ですね、国が違っても、言葉が違っても、絆の力は無限ですね。
 だから、慧燈財団の活動は日本とタイの友好の橋のような存在だと思います。こんな活動が続いて欲しいと願っています。
 慧燈財団の理事の方々、関係者、ここにいらっしゃる里親の方々、そして、日本にいらっしゃる里親の方々、誠にありがとうございます。皆様のご親切と誠意がチェンマイの人々の心に残ります。今年の慧燈財団の活動が滞りなく行われ、皆様が無事に日本に帰られますようにお祈りいたします。また、皆様とお会いできることを祈ります。ありがとうございます。

長年支援を継続して頂き、活動を続けることができたからこそ生まれた理解だと思います。本当にありがたいことです。
経済的支援だけでなく、日本の会員や里親の皆様の温かい心が里子たちの心の励みになっているようです。
今年は12名の里親の方々が伝達式に参加して下さいました。
奨学金を伝達する時、全ての里親様、会員様のお心も代表してタイの里子達に伝えてくださっています。ありがとうございました。
先の大戦で亡くなられた方々の、平和を願う思いに守られて、戦争を知らずに成育できている私たちは、戦後の日々を永遠に重ねていくことを託されていると思います。

NPO慧燈の活動が、タイ国と日本国の友好関係推進の一助となりますよう精進してまいりたいと思います。


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