森田正馬しょうま先生(1874~1938)は、精神科医であり、大学教授として

研究と診療に業績をあげた郷土が誇る歴史的人物です。そして、森田先生

が創始した「森田療法」は、その当時から現在までフロイトの精神分析に

並ぶ精神療法として世界中から注目されている療法です。

 その森田先生の生家は香南市野市町に現存し、長き時代を経てもなお、

家屋の風格は、訪れる人々に森田先生が育った歴史を想起させ、また、

地元の偉人として、その足跡を再認識させる貴重な史跡であることは

間違いないでしょう。不登校児の学び舎「森田村塾」としても近年まで

利用されており、地元の教育文化に多大な貢献をされた森田正馬先生の

志は、現在においてもなお脈々と続いていることが伺い知れるのです。

 しかしながら、森田正馬先生という人物やその業績を知る人々は、時代

と共にごく限られた人々となりつつあることは、大変残念な現状です。

 このような背景から、私共は、森田正馬先生の歴史的業績並びに、森田

先生によって1919年に創始された我が国が世界に誇る精神療法である

「森田療法」について、香南市民のみならず県内外に広く普及する活動の

必要性を感じ、「森田正馬しょうま生家保存会」を発足するに至りました。

 またこの活動により、現存する森田正馬生家が文化財として修復保存さ

れ、森田先生の足跡が未来の子供たちにも末永く伝承され続けることを

心より願っております。

            2022年6月4日  代表:池本耕三



(注)2015年に発足した「森田正馬生家保存を願う会」は生家保存への

   活動が本格化してきたことにより、その活動を2022年より本会へ

   すべて移行いたしました