【山閑堂農園・秋】


今年は記録のうえでも最高の暑さだった。夏は秋にズレ込み、秋は冬にズレ込む。春夏秋冬は平等に迎えられず、暑さが長く居座る。紅葉と落葉が秋を伝え、青空に映える。まずはモクレンの大きな葉が音を立てて散り始め、イチョウ、ケヤキ、モミジと続く。自宅周辺、屋根、ご近所に葉が散乱し、迷惑をかけているかも知れない。朝夕、気の毒そうな面持ちで落ち葉を掃き集める。

 

人の背丈にも満たない細い苗だったが、伸長いちじるしくあっというまに屋根を超えた。モミジバフウ(紅葉葉楓)という中国原産の樹木だ。葉はモミジの形で大きさは3倍くらいあり、紅葉する。ほとんどの落葉樹が散っても最後まで残るほどに葉柄が太く強靭だ。

 

60〜120年に一度咲くという「竹の花」、30年前に黒竹の苗を買って植えたが、その時はすでに30〜90年が経過していた計算になる。開花期間は長く実を付けた後枯れ、落下した種子から新しい竹が生まれるという。目下観察中であり、花も咲き続け竹も枯れていない。

 

1年で日没が最も早いのは11/30〜12/7で冬至より2週間早い。日の出が最も遅いのは冬至から2週間遅れ1/3〜1/14である。2週間のズレを抱えつつ、冬至は1年で昼が最も短い。店じまいまでにはまだ時間があり、暗くなる前に外灯を灯す。本当の店じまいまでにはあと何回灯すことであろう。哀愁漂う晩秋の候であった。

 

 

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