【山閑堂農園・夏】


異変が起こり、九州は全国で最も遅い梅雨明けになる。その分夏も短いかと思うと、さにあらず長く暑い夏になり、秋になっても衰えを知らない。これは数字にも出ており、記録的な猛暑のため、熱中症で搬送される人々のニュースが続いた。体調が狂うので就寝時に扇風機や冷房を入れないが、暑さで目が覚め汗を拭き、水を飲み夜間、数回エアコンを入れた。

 

炎熱の日中でも緑があると影が生まれ、風が吹けば涼しさを感じる。畑の遊歩道の先には作業場兼資材小屋がある。そこへ段ボールを取りに行くと48℃、小屋を出ると外の気温は37℃でクーラーの部屋に入った感じだ。さらに室温27℃の薬局へ入るとそこは冷蔵庫だ。目立つ場所だけ、役目すましの草取り・剪定をして、あとは秋が来るのを待つ。

 

2本のゴーヤを植えたところ、あとで近所から4本の苗を貰う。今年は柿の木に支柱を立てかけた。みるみる柿の木を覆いつくし、柿の実とゴーヤが混在する柿の木になる。食べきれないほど実がなり、連日ゴーヤ尽くし。

茄子の花に無駄花なしというが、ゴーヤの花も無駄花がないほど実が付く。しかし、調べてみると茄子の花は無駄花が多く、茎から一個、一個ついているもの以外は無駄花である。「親の意見と茄子の花に無駄はない」という。親の意見はあまり聞かなかったが、聞かなかったことが無駄ではなかった。

 

昨年は転作で大豆畑が広がった。今年は水田に稲だ。水田のほうが暑さも緩和され清涼感もある。30年ほど前、ひどい干ばつで水田に水を張れないことがあった。農家は凶作を覚悟したが、意外にも大豊作となる。水が枯れ稲が生存ため根を延ばした、との結論に達し、次の年から「土用干し」といって2週間ほど水を抜き干しあげることにした。稲の栽培技術としてすっかり定着している。

 

 

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