市教組ニュース２００２年1２月号

　11月14日、中教審が「教育基本法の全面改正」の中間報告を出しました。「新しい時代を切り開く」という名目で報告していますが、次のような問題点があります。

　１　教育への国家統制に法的根拠を与える
　　　政府の教育振興基本計画を位置付けようとしていますが、それは国家の教育統制をより強め、戦前の国家に奉仕する教育を教育を再現するものです。

　２　「新しい時代にふさわく」の名目で内実は教育基本法の理念を否定し、憲法にも抵触する．

　３　不登校、いじめ、中退などの深刻な教育状況の原因を教育基本法に責任転嫁し、教育課題の背景や教育施設の総括がなされていません。

　４　「伝統、文化の尊重」「国を愛する心」「公共の規範の再構築」といった個人の内面の自由に関することを法律で強制しようとしています。

　５　「新しい時代をグローバル化の大競争時代として「知の世紀をリードする人事」めざし、いっそうの競争主義を強めようとしています。

　　　　　中教審の中間報告骨子　　

◆教育目標は「新しい時代を切り開く心豊かでたくましい日本人」
◆現行法は重要な教育理念が不十分
◆前文と宗教教育の結論は先送り
◆公共の規範を再構築
◆伝統・文化の尊重や国を愛する心を明記
◆国家、社会の形成者としての育成が重要
◆義務教育制度を弾力化
◆教育の使命感や責務、研修の重要性を規定
◆教育振興基本計画を策定