講師の児美川孝一郎(法政大学)さんは、今、進められている「新自由主義」を基本に「した教育改革が、学校を崩壊させ、社会をも解体させかねないと訴えました。以下、講演の要旨を数回に分けて伝えます。教職員、保護者、市民が連帯すれば「みんなが元気の出る学校」への再生は可能です。
新自由主義って?
「新自由主義」とは、18世紀のアダム=スミスの自由競争主義に対して、新しい自由主義として福祉国家への挑戦を計るもの。日本では90年代以降、顕著になってきた。
基本的な主張は?
○市場原理の導入
競争原理・能力主義・国家関与の排除・公的な責任の交代・個人に選択の権利を与え(自由)、結果は個人の責任とする、受益者負担主義。
○市場原理を支える思想は
@「勝ち組、負け組」の人間観や階層格差を容認する社会。
A福祉国家や民主主義に反対する思想。
市場原理が教育に導入されると?
@学校は
学校間の競争(選択制とか、高校の学区制廃止等)負けた学校は統廃合されて消えていく。管理職間、教職員間の競争が激化。成績不良教師は不適格者として消えていく。
A子どもたちは
能力主義徹底。「できる子は伸ばし、できない子はそれなりに」。すでに行政は子どもたち全体を引き上げようとは言わなくなった。
B国が公的に保障する教育水準の後退
公的な教育費支出の削減。学校のスリム化(行政など余計なものを削る等)削った分、家庭の教育責任と教育費負担の増大に。
しかも…
「新自由主義」は、評価を通して行政がコントロールし、真の自由はない。批判者を押さえ込むために権威主義や国家主義が台頭するといった問題も。(以下 次号に続く)
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