【生薬解説10選】
【好評生薬ランキング10】 |
| 1.サンザシ |
| 2.センナ |
| 3.ヨクイニン(鳩麦) |
| 4.田七人参 |
| 5.マタタビ |
| 6.金銀花(忍冬) |
| 7.牡 蛎 |
| 8.十 薬(ドクダミ) |
| 9.グアバ(バンザクロ) |
| 10.紅 花 |
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| 11.ハブ茶 |
| 12.ウコン |
| 13.防 已(オオツヅラフジ) |
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| 薬草の煎じ方 |
| 薬草の煎じ方と抽出成分の変化 |
| 服用法Q&A |
| 【解説】 サンザシは、落葉性の低木で高さは1.5m位になる。枝は分枝が非常に多く、小枝が変化した刺も多い。4〜5月に小枝の先端に数個の大きな白い花をつけ、10月頃実が熟す。完熟の少し前に偽果(ぎか)を採取し天日で乾燥したものを用いる。中国で古くから健胃消化整腸薬として利用され、特に魚鳥獣肉の消化を助け酒の二日酔いにも効果があると言われている。成分はバイオフラボノイド(ルチン、ケルシトリン)、ポリフェノール、トリテルペン、クマリン、青酸配糖体、タンニンで、さらに消化酵素のプロテナーゼ、アミラーゼなどを含有する。肉や魚など煮込むときサンザシを入れておくと骨や筋まで早く柔らかくなる。 現代の食生活は乳製品、卵、肉、魚の摂取が必要量を超えて増えつづけ高脂血症、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、痛風等に影響を及ぼしている。サンザシは肉や脂肪の消化を助け胃腸の蠕動運動を活発にし飲食の積滞を防ぐため、生薬の抗脂血症薬として応用できる。その他、持続的血圧降下、強心作用があり血流を良くし、於血を改善する働きもある。 【用法・用量】 【注意】 |
【解説】 瀉下作用の主成分はアントラキノン類のレインやセンノサイドA,B,C,Dで、もっとも効果が強いのはセンノサイドA,Bである。服用すると腸内細菌に分解されてレイン−9−アンスロンとなり、瀉下効果を発揮する。緩下剤とは言え分量が多ければ峻下剤ともなる。特に妊婦の場合、胎盤内充血や子宮収縮も起こるので注意が必要である。採取直後のものは腹痛を起こす成分が多いので、原因となる成分が酸化されて無くなるまで最低1年ほど経過したものを用いるほうが良い。 【用法・用量】
【注意】 下剤として繁用される生薬に大黄がある。私はこれを下剤として用いる事はないし、お勧めしない。抗炎症、駆於血に少量を使う程度だ。多くの漢方家は便秘と大黄を反射的に結びつけ、麻子仁丸、潤腸湯、承気湯などの処方をあげるが、大黄は止瀉成分のラタンニンを含み腹痛や便秘を引き起こす。センナは止瀉成分が少なく、便秘目的に量を調節し茶剤で飲む限り最適だと考えている。慢性の便秘症は体質的な要因も重なるので治り難く、長期間の服用も仕方がない。センナなど飲まないに越したことはないが、便秘の不快感や不調より危険ではない。センナの害を煽り、別の薬を勧める薬屋を見受けるが、大黄やセンナ、もしくはセンナ誘導体を含む製剤だったりする。迷わず惑わされずセンナを茶剤で服む方が費用対効果上も最適だ。 ついでに、漢方メーカーのツムラが推売する大建中湯に一言。術後の腸閉塞予防に山ほど使われ、腸を温め動きを良くするとして便秘にも応用される。乾姜5g、山椒2g、人参3g、膠飴10gの生薬が1日分のエキス顆粒に含まれる。乾姜5gは蒸した生姜を乾燥させたもので生姜の数倍の辛味があり、山椒2gといえば乾燥品で120粒にもなり、人参と膠飴が激烈な辛味をいくぶん緩和する。試みに山椒1粒を噛んでもらいたい。この激しく痺れるような辛味が120粒も咽を通過し胃から腸へと移動する。辛味は血管を充血させ、ときには出血を促す。潰瘍などあればたちまち被害は甚大だ。術後の縫合創に達して何事も起こらないのだろうか。杞憂かも知れないが、山椒は大熱、有毒で明らかな寒証以外に用いるべきではない。山椒の痺れるような辛味を利用し回虫駆除にも用いられた。古方派の権威者が「大建中湯の証は腸がモクモク不穏に動く」と述べている。これを術後や便秘の腸蠕動促進に応用したものと思われる。他に適当な処方がないのか一考を要するところだ。乾姜、山椒は激烈な辛味で充血を促す。以前、寒症と思われた便秘に用い、一回で眼が血走る副作用が起こり冷汗三斗の思いをした。その後、山椒には警戒を緩めない。大建中湯は薬局レベルではなく、十分な医学的管理下で用いる処方である。 |
| 【解説】 ヨクイニンは鳩麦の医薬品名になる。そこに記載されている効能・効果は「イボ、皮膚の荒れ」となっている。鳩麦の果皮を脱穀し精白したもので、重く肥大で内部が白く、歯間に粘着するものが良品という。古来イボ取りの妙薬といわれ、現在病院でも使われている。普通イボ取りには1日15〜30gを煎じて2回に分けて服用する。(粉末は1回3〜10gをそのまま服用する。又粉をイボにつけても効果がある。)水イボならば10日〜1ヶ月位で効果が現れる。民間療法ではさらに応用範囲が広く、ポリープ、癌の治療や予防にも用いられる。含有成分であるゲルマニュウムやコイクノライドは癌細胞の発育阻止物質として注目され、米や麦に比べ蛋白質は2倍、炭水化物も50%以上含む栄養食品である。常用すると、食欲が出て便通を整え、癌の苦痛を癒し症状も好転する。特に白血病など血液性の癌に良いと言われる。また消炎、排膿、鎮痛、緩下、利尿、解毒、解熱作用があり、胃潰瘍、歯槽膿漏、催乳、浮腫、帯下、筋肉痛、神経痛、リウマチ、肝臓・腎臓病、風邪の予防などに用いる。 美容効果に優れ体内の老廃物を排出し新しい組織を作る働きがあるので、肌荒れ、シミ、ソバカス、鮫肌、湿疹、蕁麻疹、ものもらい、口臭予防に応用される。大量に用いても副作用もなく食品と同じように利用できる。粉を石鹸と一緒に泡立て、それで洗顔するとピーリング効果に優れ肌がつややかに保たれる。民間ではドクダミと併用される事が多く、小麦粉と同じように料理にも応用できる。 【用法・用量】 【注意】 |
| 田七人参 |
| 【解説】 雲南省から広西省の限られた地域に生育する貴重な生薬で、現代病・成人病と言われる疾患の治療や予防に効果のあることが報告されている。止血作用があり、かつ駆於血作用という微小血管の循環や滞りを改善する。これによって於血を残さず止血できる。さらに鎮痛作用も強く、他に脂肪代謝を活発にし血流をよくし肝や心臓の働きを助け、免疫機能を高めるため広範な応用が知られている。田七人参(写真・解説)
【用法・用量】 【注意】 |
| マタタビ |
| 【解説】 猫科の性誘引物質(フェロモン)として有名だが、人に対しては別の効能が知られている。マタタビは日本各地の山地に自生するつる性の植物で、「マタタビアブラムシ」という昆虫が花に産卵し、結実時に形成する虫瘤だ。漢方名は木天蓼と言い、秋に採集し短時間湯通し後、十分乾燥させる。有効成分はマタタビ酸・マタタビラクトン・アクチニジン・ポリガモールなどを含有し、鎮痛、強心、利尿作用があり、冷え症、神経痛、腰痛、疲労回復などに用いる。俗説では、旅の途中、倒れた人がこの実を食べ元気になり、又旅(またたび)が続けられた事から名付けられたという。虫瘤だけでなく茎葉根にも同様の効果があるとされる。猫に与えると、快楽あらわにのたうち回る。マタタビを利用する時は、猫に奪われないように注意が必要だ。猫の病気や不調に対してマタタビを与えると元気が増し回復も早いような気がする。根拠は不明だが、いわゆる免疫力が高まる為ではないかと思う。(ただし大量に与えると反って良くないという報告がある。) 【用法・用量】 【注意】 |
| 【解説】 奇跡の人、ヘレンケーラーの物語にスイカズラの香りに誘われて井戸端へ行くシーンが出てくる。そこでサリバン先生は、ヘレンの手に「W-A-T-E-R」と書いて「水」という言葉を教えた。それを機に次々と言葉を覚えていくという感動の話だ。スイカズラはつる性の植物で日本全国に分布する。初夏に開花し、ジャスミンや金木犀のような甘い芳香を放つ。筒状の花弁を吸うと甘い蜜の味がすることからスイカズラと呼ばれ、冬でも葉が落ちないので忍冬とも言う。開花した白花はやがて黄色に変わり、銀花、金花が混在した様から、漢方では金銀花と言う。リナロール・ジャスモンなどの精油やロニセリン・ルテオリンなどのフラボノイド、カフェ酸・ベネトルピンなどの成分を含む。新薬でいえば抗炎症剤、抗菌剤、消炎酵素剤、解熱鎮痛剤が一つにまとまったような生薬である。応用範囲は広く、感冒、鼻炎、インフルエンザ、各種炎症や腫れものの排膿、皮膚病、アレルギー疾患、解熱、解毒、筋肉痛などに用いる。先年、インフルエンザのパンデミックで大量の金銀花が治療に使われ、半年で価格は3倍にも高騰した。金銀花を惜しげもなく使い勧めてきたが、費用対効果を考えると全草である忍冬でも差し支えない。花弁の金銀花は採集時期が限られているが全草は通年大丈夫である。価格も金銀花の1/3で済む。金銀花を利用する人に事情を説明し、服み比べてみても遜色はない。 【用法・用量】 2番煎じは10〜15分ほど煎じ、その液を皮膚病の外用にする。浴剤への応用は配管や浴槽がアクで汚れ、落ち難いので慎重に。初夏に咲く花弁を集め、薬用酒を作る方法もある。生の花弁は水分を含むのでホワイトリカー以上のアルコール度数を用い、好みで氷砂糖又は蜂蜜を加える。2〜3週間ほどで滓を去り、出来上がった薬酒10〜20mlを服用する。好みで水や湯、炭酸などで割って飲んでも良い。1年ほど冷暗所で熟成させると味が円熟する。粉末は1回1gを1日2〜3回食間に服用し、年齢・体重・症状により適宜増減する。 【注意】 |
【解説】 【用法・用量】 【注意】 |
【解説】 表示されている薬効は便秘、尿量減少、便秘に伴う吹き出物であるが、他に蕁麻疹、皮膚病、鼻炎、高血圧、動脈硬化などに用いる。ドクダミを勧めると、ありふれた薬草なので「ドクダミで?」と渋い反応が返ってくるが実際に使ってみるとその効果は驚くべきものがある。症状を抑えるだけの新薬に決してひけをとらない。便秘に関しては重症のものには効果が及ばない。 【用法・用量】 【注意】 |
| 【解説】 高さが3〜4メートル程度、熱帯アメリカ原産の常緑潅木で熱帯、亜熱帯の暖地で広く栽培されている。日本でも沖縄県などの暖地で栽培される。別名、グアバ、バンジロウとも言い、球形から洋梨形の果実は黄色く甘い酸味があり食用にされる。成分は100g中水分86.4g、糖質10.0g、ビタミンA150IU、ビタミンC 270mgを含有し、他にインシュリン様作用物質が含まれている。糖尿病、コレステロール、高血圧はじめ下痢、歯痛、口内炎、胃潰瘍、止瀉、湿疹、痒み止め、あせもなどの改善にも用いられるが、糖尿病の治療や予防としての利用が最も多い。乾燥果実は中国物産展などで糖尿病薬として販売されていた。85年頃、葉がバンジロウ茶としてブームになった。葉は飲みやすく煎じる時間も少なくて済むため現在では葉が主流となっている。最近人気の蕃爽麗茶は実と葉が使われている。この製品を毎日飲むと費用の点でも高くつくので、原材料を購入し自分で煎じる人が増えてきた。温心堂では乾燥果実に人気があるが、葉のほうが良いといわれるかたもある。葉は5分程煎じれば良く、味もまあまあ飲みやすい。しかし値段は¥1800、果実は¥1300だが味に特徴があり煎じる時間も20〜30分程度を要する。これらを考慮に入れて選択しなくてならない。葉は別名シジュウム茶として花粉症、鼻炎などのアレルギー対策にも利用される。 漢方用語では糖尿病を消渇(しょうかつ・しょうかち)と言い、いくつかのパターンに分類し方剤を適用する。しかし、治るような糖尿病は一に食養、二に運動、薬は三番目...で、漢方薬の役割はそれほど大きくない。ある程度の心がけや養生のもとで服むならば、費用対効果の点でも蕃果で充分であろうと思う。 【用法・用量】 【注意】 |
【解説】 サフランと似たような働きを持つが価格はサフランの100分の1なので、紅花を多く用いる方が効率も経済性も優れている。風味を重視する料理に用いるならばサフランに軍配があがる。 【用法・用量】 【注意】 |
| 【解説】 テレビ番組を観ていると、「ケツメイシ」という歌のグループが登場した。仕事上慣れ親しんだ名前なのでしばし耳を傾けていると由来に触れる発言があった。彼らの中には薬剤師や鍼灸師がいて生薬の決明子をグループ名にしたという。決明子はエビス草の種子だが、ハブ茶という名前は類似生薬のハブ草と混同して定着した。ハブは毒蛇一般を意味し、噛まれたとき生葉の汁をすりこみ治すことから名付けられた。しかし毒蛇は誇張が過ぎ、せいぜい蚊やブヨに刺されたときしか使えない。10月頃、実が熟し茶褐色に変色したとき採集し乾燥後、細長い鞘を叩くと中から種子が落ちてくる。自然に落ちた種子からも芽生え栽培に手間がかからない。種子をよく乾燥させたものが決明子である。これを焙じたものを一般的にハブ茶と言い抽出効率も味も良く香ばしい。エモジン・オブツシフォリンなどアントラキノン系の緩下成分を含み、効能は便秘、腹部膨満、整腸が認められている。漢方ではも少し応用が広く清肝明目、去風熱が追加され、胃腸など消化器系の疾患、肝保護、眼病などに用いる。腎臓病などの効能を謳う事もあるが、決明子に限らず多くの生薬は利尿作用があり、そこから腎臓病まで効能を広げると誤解を生む。整腸のためのお茶と考えて楽しむくらいが良い。インドではコーヒーの代用として飲用される。 【用法・用量】 【注意】 |
| 【解説】 秋ウコン(姜黄)と春ウコン(鬱金)があり、普通は肝臓に良いというクルクミン含有量の多い秋ウコンを「ウコン」と称している。いずれもショウガ科、熱帯アジア原産の多年生草本で生姜に似て、塊根を薬用やスパイスとする。秋ウコンはターメリックとも言いカレー粉の原料に用いられる。成分は黄色素クルクミン、香辛成分として1〜5%の精油、タメロール、フェラドレン、蛋白質10.8%、脂肪2.5%、でんぷん50%、繊維4.8%、灰分4.4%を含有する。クルクミンが胆汁の分泌を促進するので肝臓の働きを助ける。漢方では理気止痛、活血化於、清熱涼血、利胆退黄の作用から胸脇、腹部、乳房の疼痛、生理痛、黄疸、肝炎などに応用する。一方、春ウコンはクルクミンの含有量は少なく主成分はセスキテルペン、セスキテルペノールなどの精油が多く、苦味も強い。このため健胃、利胆作用のほか肝気を巡らせ、痛みや炎症、於血を改善する働きが強い。元は沖縄土産と称して春ウコンがブームになり、栽培も簡単なため各地で生産されるようになった。(今でも春ウコンは秋ウコンの倍の値段である)しかし、ある健康番組で「秋ウコンは春ウコンより10倍も多くクルクミンを含有する」と放送されて以来、秋ウコンがスポットを浴びている。春ウコン人気の頃は秋ウコンも春ウコンとして並べられたが、今は春ウコンが秋ウコンとして販売される場合もある。黄色の度合いですぐに見分けが付くが、見慣れない人にとっては言われるままである。 ウコン人気のおかげで温心堂での販売量も多いが、肝臓強化が目的なら田七人参の方をお勧めしたい。華々しい宣伝ほど優れた薬草ではないと思う。苦味と同時に辛みもあり、五行理論からすると辛味は肝を克し痛めるのではないだろうか?脂の多い食物を摂取するときはクルクミンの利胆作用によって消化を助けるが、それ以上の過大な期待は持っていない。 【用法・用量】 【注意】 |
| 【解説】 日本各地の山野で見られる藤の木の一種、オオツヅラフジである。茎、根茎を生薬名、防已(ボウイ)と言う。関節浮腫、腹水などの利尿や関節痛、リウマチなどの鎮痛薬として漢方処方に配合される。成分はシノメニンを始めとするベンジルイソキノリンアルカロイドである。モルヒネと同じモルヒナン骨格をもち、鎮痛作用も生薬の中では強力である。炎症を取り除く作用もあるので関節炎、筋肉炎の急性期から、慢性期の鎮痛にまで広く用いられる。慢性化したもの、虚状をおびたものは補益性や温熱性のある生薬を配合する。日本で使われる防已は漢防已だが、中国では木防已(アオツヅラフジ)も用いられていた。しかし、数年前、主成分のアストロキア酸で腎不全を起こすことが報告され、少なくとも日本では使われなくなった。中国旅行で神経痛、リウマチの中成薬を購入するときは注意が要る。また、自家採集してアオツヅラフジを飲まないようにしたい。新薬の鎮痛剤は胃腸障害はじめ数多くの副作用が知られている。それに比べると防已の副作用は無いに等しい。我慢できる痛みなら我慢するに越したことはないが、耐え難い痛みに防已を用いる価値は充分にある。一服で効果を確認できる。効果がないのにダラダラと服用し続けるのはあまり意味がない。 【用法・用量】 【注意】 |